『おかえりモネ』から『カムカム』へ 近代を描く朝ドラの中でコロナ禍はどう扱われる?

『カムカム』はコロナ禍をどう描くのか

 年末年始、人の動きに伴って都内での1日の感染者数が増えた、というニュースを目にした。2022年、コロナ禍が始まってから約2年が経過しようとしている。2020年はドラマの制作現場も一時中断を余儀なくされるなど、業界はもちろん世間に「停止」が求められた。そして昨年の2021年は、そこから一歩進みコロナ禍をテーマに扱うドラマや、ドラマの中に明言はされていないもののコロナ禍を思わせる描写などが増えた。まさにウィズコロナ時代で生まれた『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)、『姉ちゃんの恋人』(カンテレ・フジテレビ系)、『共演NG』(テレビ東京系)がまさにそうだ。さらに、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)も例外ではなかった。

 2021年5月17日から放送が開始された『おかえりモネ』は、朝ドラの中でも久々の現代を描いた作品。東日本大地震での出来事を軸とし、2014年から2022年の時代設定で主人公・百音(清原果耶)の成長を辿っていった。2021年のNHK紅白歌合戦でも主題歌「なないろ」がBUMP OF CHICKENによって演奏され、清原果耶と坂口健太郎の登場が再び話題になったことでも記憶に新しいだろう。

 さて、そんな『おかえりモネ』はエンディング直前の第117話で、コロナウイルスの蔓延が始まるような様子を描いた。気象予報士を目指す百音を捉えた本作だが、彼女の恋人・菅波先生(坂口健太郎)に、実家の永浦家、そして幼なじみの亮(永瀬廉)ら漁師と、コロナ禍の影響を受けやすかった職業の登場人物が脇を固めているのが興味深かった。序盤から提示されていた菅波の「外科医」という設定、少し前から気仙沼と東京で遠距離恋愛をしていた百音との関係性など、忍び寄るコロナ禍の不穏さが高められていたのも印象深い。医療現場を含め、徐々に始まっている様子のリアルな描写がすごかったが、特筆すべきは思い切って描かれた最終話。

 舞台は2022年の夏となり、2年半ぶりに再会した百音と菅波の抱擁で幕を閉じる。それはまさに、長きにわたって戦い抜いた人々がマスクなしにゼロ距離で温もりを感じあえるようになった、「コロナの終息」という希望を意味していた。そこで気になるのは、同じく現代までを描く予定として現在放送されている『カムカムエヴリバディ』の行方である。

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