生見愛瑠&岡田結実、恋のライバル(?)役で新境地 バラエティでも輝くマルチな才能

生見愛瑠&岡田結実のマルチな才能

 また、まだ全貌が明らかになっていないのは、岡田結実演じる朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)の雪衣だ。彼女はヒロインの安子(上白石萌音)が娘のるいを連れて岡山に帰ってきた第6週で初登場。戦争で亡くなった安子の夫の実家で女中を務めている。雪衣は控えめだが、よく気がつく働き者の女性。初めて会った安子とるいにも親切に接し、決して悪い人には見えなかったが……。

 印象が変わったのは、幼なじみであり、義理の姉弟としても支え合ってきた安子と勇(村上虹郎)を見る目。そこには静かに滾る炎が見えた。きっと雪衣は安子がいない間に雉真の家に雇われ、ずっと側でお世話をしてきた勇に密かな恋心を抱いているのだろう。そのことを言葉より雄弁に語る、岡田の何かを含んだ表情や言い回しが絶妙だ。表面だけを見ると何も問題はなさそうだが、この人はきっと何かをしでかすに違いないと思わせる不穏な空気を全身に纏っている。だからこそ、るいへの「安子さんは女手一つでるいちゃんを育てることを諦めて、雉真の家にお返ししようと決めたんじゃ思います」という言葉は意味深で、字面より強いインパクトを放っていた。

『カムカムエヴリバディ』写真提供=NHK

 岡田といえば、2020年の『女子高生の無駄づかい』(テレビ朝日系)の田中望(バカ)役や、『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』(読売テレビ・日本テレビ系)の仙夏役が記憶に新しい。これまでは本能のままに生きる問題児の女子高生や、江戸時代からタイムスリップしてきた粋な花魁など振り切った演技が必要な役どころが多かった。しかし、ここにきて設定に頼りきらない、素朴に見えて癖のある“悪女キャラ”で新境地を開いている岡田。実際に彼女が演じる雪衣が悪女なのかどうかは意見が分かれるところであるが、勇との再婚を勧められた安子にどんな反応を見せるのかが楽しみだ。

 バラエティ番組のみならず、映像作品でも場を盛り立て温める生見愛瑠と岡田結実。今年の終わりに、マルチな才能を見せつけた2人の新鋭女優から目が離せない。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:上白石萌音、深津絵里、川栄李奈ほか
脚本:藤本有紀
制作統括:堀之内礼二郎、櫻井賢
音楽:金子隆博
主題歌:AI「アルデバラン」
プロデューサー:葛西勇也・橋本果奈
演出:安達もじり、橋爪紳一朗、松岡一史、深川貴志、松岡一史、二見大輔、泉並敬眞ほか 
写真提供=NHK

『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』
日本テレビ系にて、毎週水曜22:00〜放送
出演:杉咲花、杉野遥亮、鈴木伸之、奈緒、岸谷五朗、田辺桃子、細田佳央太、戸塚純貴、ファーストサマーウイカ、堀夏喜(FANTASTICS from EXILE TRIBE)、生見愛瑠
原作:『ヤンキー君と白杖ガール』(うおやま/KADOKAWA)
脚本:松田裕子
演出:内田秀実、狩山俊輔
チーフプロデューサー:加藤正俊
プロデューサー:森雅弘、小田玲奈、鈴木香織(AX-ON)
主題歌:「こたえあわせ」JUJU(ソニー・ミュージックレーベルズ)
(c)日本テレビ

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