佐久間由衣が『最愛』で学び直す「役者としての基礎」 “桑子の夢オチ”案も浮上?
「役者として“基礎”を学び直しているような気持ち」
――津田さん、松下さんとの共演シーンが多いと思いますが、現場ではどのような様子ですか?
佐久間:本当におふたりとも素敵な俳優さんで。最初、刑事役をいただいたと聞いたときには、“きっと専門的な言葉で説明をしなきゃいけないんだろうな“って怯えていたんですけど、その役割を全部津田さんが担ってくださって(笑)。しかも、とてもしびれる素敵な声で! 普段の津田さんは、とてもチャーミングで可愛らしい方です。もともと桑田を呼ぶときに「桑……」って詰まったのも津田さんのアドリブだったんですが、すごくうれしかったですね。私も自然と「田です!」って出てきちゃったというか。その後、桑田が「桑子」と呼ばれていく流れをより膨らませてくれるシーンになったのでありがたかったです。松下さんは、テレビなど拝見して穏やかな方なんだろうなと思っていましたが、現場でお会いしたら笑わせてくれるようなお話をされたりとか、面白い一面もすごくあって驚きました。今回一番ご一緒する役柄なので、監督を踏まえながら相談に乗ってもらっていています。撮影の合間には好きな食べ物の話とか、美術館やアートの話をしたり、あとは作品の内容のことを中心に。どうやったらいいコンビ感が出るかな、という話をよくしています。
――番組の公式Instagramには、松下さんと撮り合ったオフショットも掲載されましたね。
佐久間:あれは大きなシーンを撮り終わった後に、スタッフさんのアイデアで撮り合ったんですけど、我ながらすごく上手に撮れました(笑)。もともとフォトジェニックな方なので、本当に撮るのが楽しかったです!
この投稿をInstagramで見る
――大輝の手に、さり気なくハンドクリームを塗るシーンが印象的でした。
佐久間:あのシーンも現場で生まれたものです。もともと桑子がハンドクリームを塗っていることも台本には書かれていなくて。今回、塚原監督がたくさん桑子アイテムを用意してくださったんです。私が普段持っている現場のバッグにいろいろなキーホルダーをいっぱいつけているんですけど、作品に入る前の打ち合わせで塚原監督から「最愛アイテムがダダ漏れだね」とツッコまれたんですよね。「桑子もいろいろな最愛アイテムをいっぱい持っている子だと思う」というお話をしていただいて、そこからハンドクリームとかリップとか日焼け止めクリームとか、そういういろいろなアイテムを持ち歩いているような女の子になったような感じがあります。撮影するタイミングで塚原監督から「(大輝にハンドクリームを)塗っちゃってもいいよ」と言われたので、あのシーンは思い切ってやりました! そしたら松下さんもすごくナチュラルに「何これ?」って役として反応してくださって。作品の大事な流れを妨げない範囲で、ちょこちょこそういうアイテムを使いながら、桑子のキャラクターや大輝との関係性を描いていけたらと思っています。
――塚原監督はキャストのみなさんが演じられた自然の流れを大事にされると、井浦さんがインタビューでお話されていました。佐久間さんが感じた塚原監督の印象はいかがですか?
佐久間:今回、塚原監督から「台本に書かれている以外のことをたくさんやっていいですよ」ということを言っていただけて。もちろん作品によってはそうではないときもあるんだとは思うんですけど、今回の役柄を通して、監督にそういうふうに言っていただけたのが初めてのことだったのですごくうれしくて。感じたことをなくさずに、一つひとつ正直にその場にいていいんだなということを許されているのが大きな学びだなと思いました。今回、いろいろと吸収させてもらって、足りないことを学んで、役者として“基礎“を学び直しているような気持ちです。『最愛』の桑子として、役割をしっかり生き終わったら、またいろいろな挑戦ができるような気がしています。
共演者同士での推理では“桑子の夢オチ”展開も?
――この作品では、それぞれのキャラクターの最愛のものが描かれていますが、佐久間さんが演じられている中で感じる桑子の最愛とはなんだと思われますか?
佐久間:仕事かなとは思っています。刑事としてのプロ意識というか。真相を突き止めていく刑事という仕事にプライドを持ってやっているということは1番大きくあるんじゃないかと思いますね。でも、そのほかにもいろいろなところでオタクなんだろうなという感じがしているので、そこも少しずつ出せていけたらいいなと(笑)。
――それは桑子の素性を推理する楽しみもありますね(笑)。先ほど「ミステリーを読み解くのに時間がかかる」とおっしゃっていましたが、佐久間さんは本作について誰が真犯人なのかといった考察はされていますか?
佐久間:よく現場でみなさんと一緒にそういう話になるんですよね。撮影の合間に「このキャラクター怪しいよね」とか「もしかしたら桑子の夢オチで終わるんじゃない?」とか(笑)。
――まさかの夢オチ!
佐久間:「そんなわけ!」ってツッコませていただいたんですけど(笑) 。そういうお話も、みんなで楽しみながらさせていただいています。
――現場でも作られながら楽しんでいらっしゃるんですね。では、最後に視聴者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
佐久間:はい。私自身もこれからどうなっていくか本当に全くわからないんですが、ご覧になっているみなさんもいろいろ考察しながら見てくださっているとお聞きしています。これからもっともっといろいろな事件が起きていくので、さらに楽しんでいただきたいです。個人的に、桑子としては大輝との男女の刑事コンビだからこそできるツッコみとか、事件への関わり方とか、いろいろなことができると思っていて。梨央と大輝、加瀬のトライアングルにもちょっと足を踏み入れる瞬間もあったりするので、そういうところも見守っていただけたらうれしいです。桑子らしさを保ちながら、いろいろとやっていきたいと思いますので、ご注目ください。よろしくお願いします!
■放送情報
金曜ドラマ『最愛』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:吉高由里子、松下洸平、田中みな実、佐久間由衣、高橋文哉、奥野瑛太、岡山天音、薬師丸ひろ子(特別出演)、光石研、酒向芳、津田健次郎、及川光博、井浦新
脚本:奥寺佐渡子、清水友佳子
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子
編成:中西真央、東仲恵吾
主題歌:宇多田ヒカル(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
■佐久間由衣
女優。1995年生まれ。TBS系金曜ドラマ『最愛』に桑田仁美役で出演中。主演映画『君は
永遠にそいつらより若い』(吉野竜平監督)上映中。ファースト写真集「佐久間由衣写真集
SONNET 奥山由之撮影」(11月4日発売)。