『鬼滅の刃』魘夢、圧倒的変態性で物語を盛り上げる 平川大輔の演技もポイントに
10月10日から放送されている『鬼滅の刃 無限列車編』(フジテレビ系)。同作は、大ヒットをした映画『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』をテレビアニメ化したもの。新作エピソードや追加映像、追加BGMなどとともに描かれており、より臨場感を持って観ることができそうだ。そんな「無限列車編」のキーキャラクターの一人と言えば、魘夢だろう。
魘夢は、鬼舞辻無惨直属の鬼「十二鬼月」の下弦の壱。青年の姿で燕尾服のような服装をしており、一見すると紳士然としている鬼だ。だが、蓋を開ければ異常かつ圧倒的変態性の持ち主である。まず、初登場時となったアニメ第1期の最終話。下弦の伍である累が冨岡義勇に殺されたことで、「下弦の鬼は弱すぎる」、「下弦の鬼を解体する」と無惨が怒り心頭で粛清を行っていた場面。殺される直前、無惨に「言い残すことは?」と問われた魘夢は「私は夢見心地で御座います。貴方様直々に手を下して戴けること、他の鬼の断末魔を聞けて楽しかった。幸せでした。人の不幸や苦しみを見るのが大好きなので、夢に見るほど好きなので、私を最後まで残してくださってありがとう」と答えている。鬼たちは絶対的存在かつ支配されている無惨を恐れており、下弦の鬼たちも命乞いをしたり、自分をアピールしてみたり、逃げ出してみたり。なんとか状況を打破しようと試行錯誤していた局面にも関わらず、こういう言葉を発せられることが魘夢の変態性の片鱗だ。しかも、恐怖心で相手に気に入られようとするストックホルム症候群のような状態ではなく、心の底からそう思っているから理解が及ばない。しかし、魘夢のこうしたところが気に入られて無惨から血を施され、さらなる力を手に入れてたのであった。
さらに、魘夢の残忍性は無限列車編でも発揮。主人公の竈門炭治郎が夢から目覚め、魘夢のもとに駆けつけると、「本当は幸せな夢を見せた後で悪夢を見せてやるのが大好きなんだ。人間の歪んだ顔が大好物だよ。堪らないよね。不幸に打ち拉がれて苦しんで踠いてる奴を眺めていると楽しいでしょう」と言ってみせる。確実に歪んでおり、潔いまでの悪人っぷりだ。だが、そこが魘夢というキャラクターの良さにもなっている。
こうして歪んだ異常性が目立つ魘夢だが、よく見ると意外にも冷静で計画性があることがわかる。自身の戦い方について「俺の作った縄は繋げた者の夢に侵入できる特別な術なんだ。俺はいつも細心の注意を払って戦うんだ」と語り、炭治郎と対峙している最中には「だけど俺は油断しないから。回りくどくても確実に殺すよ、鬼狩りはね」と明かしていた。さらに炭治郎の精神力の強さを冷静に分析している場面もある。