『おかえりモネ』蒔田彩珠×恒松祐里×今田美桜 百音に深く関わってきた女性陣

 連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)が、最終回まで残り1話と迫ってきた。恋人・菅波光太朗(坂口健太郎)が永浦百音(清原果耶)の両親へ挨拶をしに気仙沼へとやって来たが、急きょ東京に呼び戻されてしまうという波乱の展開が続いている。

 これまでも様々な困難に立ち向かって来た百音だが、その度に家族や友人、同僚、そして恋人に助けられ、時にはぶつかりながら進んできた。前回は菅波、及川亮(永瀬廉)、朝岡覚(西島秀俊)という男性キャラクターに焦点を置いたのだが(参考:『おかえりモネ』菅波×亮×朝岡が物語のキーパーソンに 3人が百音にもたらした影響)、今回は永浦未知(蒔田彩珠)、野村明日美(恒松祐里)、神野マリアンナ莉子(今田美桜)が物語、そして百音にとってどのような影響をもたらしたかを振り返っていこうと思う。

百音へのコンプレックスを爆発させた永浦未知(蒔田彩珠)

 百音の妹である未知は、百音にとって、そして物語にとって欠かせない人物だった。勉強が得意で、堅実に先を読んで行動するしっかり者の未知。百音とは正反対の性格だが、ずっと仲良し姉妹として生活を共にしてきた。しかし、その陰には百音への募り募らせたコンプレックスが……。

 東京に出て好きな仕事に就き、スポットライト当たる世界でキラキラと輝く姉。対して自分は「東京に行くことになったら、祖父の仕事を継ぐ人がいなくなってしまう」と東京の大学からのスカウトが来ても、上京に躊躇。東日本大震災を背景にしている本作で、物語にずっとついて回ってきた、震災時に「島にいた」「いなかった」ということが大きく関わっているだろう。“島にいた側”の未知は、勝手に責任を感じているのだ。

 さらにもう1つ、未知が地元に居続ける理由として、長年想い続けている亮という存在があった。“地元にいる”という細い絆にすがる未知。そんな彼女が、百音に怒りをぶつけた瞬間が。それは、亮が百音に弱音を吐露した時。「なんでお姉ちゃんなの」と、ずっと近くにいた自分ではなく、離れていた百音を選んだ嫉妬心を爆発させ、百音を戸惑わせた。

百音にも未知にも寄り添う野村明日美(恒松祐里)

 そして、百音の一番の幼なじみで保育園の頃からいつも一緒、お互い上京しても同じシェアハウスに住む“すーちゃん”こと明日美も、実は亮に一途に思いを寄せていた人物。百音だけに弱音を見せた亮へ複雑な感情が渦巻く未知に対し「りょーちんが本音を言うのはモネだよ。昔からそうじゃん。むかついた時期もあったけど」と、自分も過去に想っていたからこそわかると、気持ちに寄り添うコメントを送っていた。

 鋭い洞察力と気持ちに寄り添う心の広さを兼ね備えている明日美は、百音の恋にも一役買ったことも。なかなか進展しない百音と菅波の恋を後押しした。

 「恋愛は距離だよ。そばにいることが一番大事」「自分が大好きで、相手も自分のこと好きでいてくれる瞬間なんてね、ホント一瞬しかないんだからね。奇跡だからね!」など、何気ない一言でも的確で、“名言”にしてしまう明日美。その中で、物語の本筋に関わってくる「なんで地元で頑張ってんのが偉いみたいになるの?」という言葉も口にしており、これは百音だけでなく、亮と未知にグサリと刺さった言葉だっただろう。

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