ハリウッド進出の新田真剣佑 “ジャパニーズカルチャー”とともに世界でどう闘う?
ハリウッド進出作品が発表され、本格的に活動拠点を海外へと移したことが改めて分かった新田真剣佑。日本国内での活動に関してもつねに目が離せない存在であった彼だが、世界を相手にどこまで闘っていけるのか、非常に気になるところである。
新田が主演を果たすハリウッド映画『Knights of the Zodiac(原題)』は、日本のマンガ作品『聖闘士星矢』を原作としたもの。同作はこれまでに、アニメ化、舞台化、ゲーム化など、さまざまなメディアミックス展開がなされてきた。同じように世界中にファンを持つ『ドラゴンボール』がハリウッドで『DRAGONBALL EVOLUTION』(2009年)として実写化された際は厳しい意見が数多く上がったこともあり、否が応でも注目が集まっているところだ。
このようにマンガやゲームなど、日本特有の人気カルチャーがハリウッドで実写化されたり、作品内で言及されたりするケースは近年よりも増えており、日本の俳優の海外進出への足がかりの場ともなっている。代表的な例だと、スティーヴン・スピルバーグ監督による『レディ・プレイヤー1』(2018年)の森崎ウィンがまず思い浮かぶ。彼の「俺はガンダムで行く!」という名台詞が世界中に轟いた事実は、リアルタイムで鑑賞した者たちにとって永遠に語り継いでいきたいものだろう。また今年は、小栗旬と山崎紘菜がジャパニーズカルチャーとともにハリウッドに進出した。
前者は日本が誇る特撮怪獣映画『ゴジラ』のタイトルロールが主として登場する『ゴジラvsコング』で、後者は日本のみならず世界的にも売上げを伸ばしている人気ゲームの実写版『モンスターハンター』で、である。両者ともに出番こそ多くはなかったものの、限られた日本人キャストとしてのポジションをまっとうし、作品の盛り上げに貢献していたのではないかと思う。今回主演の座を掴んだ新田も、過去には『パシフィック・リム:アップライジング』(2018年)に出演しながらも、その出番の少なさが話題となったことがある。しかし、彼が演じたのはあくまでも若き訓練兵たちのうちの一人。日本の俳優が海外作品でフォーカスされることを望むよりも、与えられたポジションで的確に要求に応えていく姿こそを応援したいものである。それが今回は、主役というポジションに結実したわけだ。