深田恭子が第一線を走り続けている理由 “深キョン”ならではの甘い芝居

 深田恭子が主演を務める映画『劇場版 ルパンの娘』が現在、絶賛公開中だ。興行通信社より発表された10月16日から17日の全国映画動員ランキングで6位を記録、さらには “謎の敵・JOKER”として伏せられていたその正体が観月ありさであることが明かされるなど、公開後も大きな話題となっている。

 本作は、代々泥棒一家である“Lの一族”の娘・三雲華(深田恭子)と、代々警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)の禁断の恋を描いたラブコメディ。横関大の同名小説を原作に、2019年7月よりフジテレビ系列にてドラマ1作目の放送がスタート。翌2020年にはドラマ2作目が放送され、泥棒一家と警察一家に加え、新たに代々名探偵一家である北条家の娘・北条美雲(橋本環奈)が登場した。劇場版は『ルパンの娘』の続編にして最終章となる。

 ルパンの一族、泥棒と刑事の恋、なんかめっちゃコミカルに動く登場人物たち……etc。ありえない設定にもかかわらず、多くの人々の心を掴み、映画公開までに至ったのは、主演の深田の好演が大きな理由だと、筆者は考える。

 現在38歳の深田は、13歳でホリプロタレントスカウトキャラバンのグランプリを受賞し芸能界デビューしてから、これまでずっと第一線で活躍し続けてきた女優だ。彼女を語る上で欠かせないのは、やはり『神様、もう少しだけ』(1998年/フジテレビ系)でのヒロイン・叶野真生役だろう。当時まだ15歳、さらには駆け出しの女優で透明感あるイメージを大切にしたいであろう時に“援助交際でHIVに感染した女子高生”というキャラクターを演じたのだが、まだ世間の怖さを知らない無垢な少女がたった一度の過ちを犯したことにより、穏やかな日常・家族関係が崩壊していく恐怖が、深田のナチュラルで自然な演技があったからこそ多くの視聴者に伝わったのではないだろうか。

 その熱演もあり、翌年には『鬼の棲家 Don’t be a cry baby』(1999年/フジテレビ系)で初主演を務めた深田。何不自由なく平和な日々を送ってきた女子高生が突然の交通事故で両親を失い、引き取られた旅館での過酷な仕事やいじめに耐えながら、立派に成長していくさまには勇気を与えられた。

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