『最後の決闘裁判』マット・デイモンらがリドリー・スコットを絶賛 「とても興奮する」

 10月15日に日米同時公開される映画『最後の決闘裁判』。脚本を手がけ出演も果たしたマット・デイモンとベン・アフレックがリドリー・スコット監督について語った。

リドリー・スコット監督

 本作は、アカデミー賞脚本賞を受賞した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』以来のタッグとなるデイモンとアフレックによる脚本を、『ブレードランナー』『オデッセイ』のスコットを監督に迎え映画化したもの。

 史実としていまだに真相不明なフランス最後の決闘裁判を、事件を告発した被害者(ジョディ・カマー)、被害者マルグリットの夫(マット・デイモン)、訴えられた容疑者(アダム・ドライバー)という登場人物3人の視点で描く。

 『デュエリスト/決闘者』でカンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞以降、1979年に手がけた『エイリアン』が世界的大ヒットとなり、『ブレードランナー』『テルマ&ルイーズ』『ハンニバル』『プロメテウス』など多くの話題作を生み出してきたスコット監督。今後も、2022年1月14日公開の『ハウス・オブ・グッチ』、本作にも出演するカマーを再登用し、ホアキン・フェニックス共演でナポレオン1世を描いた『Kitbag(原題)』が公開を控え、そしてその後には『グラディエーター』続編の着手も囁かれている。本作では、14世紀フランスの世界観を再現するべく、撮影・音楽・衣装など芸術面や、美術・セットの細部にこだわり、リアリティのある映像美を追求した。

 ウェストハートルプール美術大学、ロンドン王立美術大学でグラフィックデザインなどを学んだ後、BBCに入社し、退社後は、CM制作会社RSAを設立してCM監督として活躍してきたという経歴を持つスコット監督。複数のカメラを用い、360度全方向による撮影方法でも知られている。

 アフレックは「リドリーのとても特徴的な撮影方法を間近で見られるのは、とても興奮することだった。各カメラがそれぞれの方向を向いていることによって信じられないほどのエネルギーが生じる。演じている者たちは、自分がいつカメラに捉えられているか分からない。それが素晴らしい切迫感と即時性を作り出すんだ」と、その手法を絶賛。

 「リドリーは、光のことを実によく理解していて、どうやったら撮影ショットを非常にハイレベルに進化したフレームにできるかを熟知している」と語るのはデイモン。続けて、「リドリーは、トレイラー上にカメラを設置していく時に、まずフロアのほうに自分で歩いて行って、そのシーンを自分でリハーサルしてからカメラを4台設置して、それに対してダリウス・ウォルスキーが照明を提供する。それからトラックの中に戻って、自分でカメラを操作したら何が映るかを確認する。これは、彼が最初にこの仕事を始めた時にやっていた方法の、より手の込んだバージョンといえる。こうすれば、ショットがどう仕上がるか、どうやったら欲しいショットにたどり着けるか、方法が分かる。4台のカメラにそれぞれ着いた操作のプロが、無線機で監督からの指示を受けてショットの調整をしていくんだ」と、この独特な撮影方法がダイナミクスを生んでいると説明した。

 いくつかのシーンでは、撮影カメラ6台が同時に回って撮影されていることもあり、さらには撮影の最中に編集も行うというスコットを支えるために、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『プロメテウス』『オデッセイ』などに参加した撮影監督のダリウス・ウォルスキーほか、プロダクション・デザイナーのアーサー・マックス、編集のクレア・シンプソン、衣装デザイナーのジャンティ・イェーツ、作曲家のハリー・グレッグソン=ウィリアムズらが集結した。

 スコット監督は、本作について「私はこれまでにやっていない素材を見つけるのが好きで、新鮮でそれまでとは違うものをいつも探している。ミュージカルはやったことがないし、ウエスタンもやったことがない。だからそういうものを見つけようとしている。だが、この作品に関して言うと、この時代はとても親しみが持てて、十字軍の物語なんかも同じような時代のものだよね、そういったものは分かりやすいし、与しやすい。だが、最も大事なのは、コンセプトであり文脈なんだ。この作品についていえば、三つの違う視点があるという点がとても興味深くてね、それがどの時代か、どの世紀かなんてことは関係がない。私にとってはそれが一番大事なことだったんだ。文脈がね」と語っている。

■公開情報
『最後の決闘裁判』
10月15日(金)全国公開
監督:リドリー・スコット
脚本:ニコール・ホロフセナー、マット・デイモン、ベン・アフレック
原作:エリック・ジェイガー(『決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル』)
出演:ジョディ・カマー、マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレック
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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