『恋です!』が描くハンディキャップを考える 杉咲花演じるユキコは原作そっくり?

『恋です!』が描くハンディキャップを考える

 弱視の女の子と、不良少年の恋を描いたドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系/以下『恋です!』)が、10月6日にスタートした。本作は、Web閲覧数累計2000万PVを突破した『ヤンキー君と白杖ガール』(作:うおやま氏)を原作とした物語。

 『愛していると言ってくれ』(TBS系)や、『オレンジデイズ』(TBS系)、『パーフェクトワールド』(カンテレ・フジテレビ系)など、ハンディキャップを主題としたドラマはたくさんあるが、『恋です!』はごく普通のラブストーリーだ。ヒロイン・ユキコ(杉咲花)は、見えないということが“普通”の世界を生きていて、周囲から偏見の目で見られている森生(杉野遥亮)は、自分が“普通”ではないと思っている。

 第1話を観て、自分のなかにある固定観念や、ハンディキャップへの先入観がスーッと消えていくのが分かった。それはきっと、森生がユキコに対して一切偏見を持たずに接しているからだ。ユキコも同じく、強面の森生の心の奥をしっかりと見ている。外見や過去にコンプレックスを抱えている森生が、そんな彼女に恋に落ちるのは必然だったのだろう。

 だが、これから始まる2人の恋は、前途多難だ。心配性なユキコの姉・イズミ(奈緒)は、森生の外見を見て「関わってほしくない」と嫌悪感を示しているし、森生の因縁の相手・獅子王(鈴木伸之)も、ユキコの存在を認知していて、何やら危なそう。けれど、誰かと出会ったことで、「この世界は、私が思っているより優しいのかもしれない」と思えるようになったとしたら。それはもう、立派な恋だ。

 好きな人のことを知ることや、相手が大切にしているものを自分も大事にすることは、恋をする上で欠かせない。森生も、「弱視の世界」という動画を見て、ユキコの世界を知ったり、白杖や点字ブロックを大事にしたり……相手のことを知り、大事にするための努力をたくさんしていた。その姿は、ハンディキャップを抱えている子に恋をしているから、ということでなく、ただ純粋に好きな人のことを知りたい、大事にしたいというふうに見える。だからこそ、彼の想いに胸を打たれるのだ。

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