『海街チャチャチャ』ホン班長役で話題 キム・ソンホの沼にハマる出演作6選

 登場人物たちを陰で支え、なかなか恋が実らず、自分の気持ちを押し殺しながらも優しさで包み込む重要な役柄を演じてきたキム・ソンホ。主演のような存在感を放つサブキャラクターから、彼のエクボに肩まで浸かりたくなるような主役まで幅広く活躍する彼の出演作に迫りたい。

『海街チャチャチャ』(2021年)

 自分を守るために鎧をまとった都会の歯科医(シン・ミナ)が、飄々として掴みどころのない海街班長(キム・ソンホ)や個性豊かな住民と出会い、“本来の姿”に戻っていくような過程を描くNetflixで配信中の作品。独特のコミカルな世界観を貫きながらもしっかり泣かせてくるのが流石で、田舎街の風景や横のつながりに疲れた心が解きほぐされる。また、本編同様に重要なシーンが、エピローグで明かされていく仕組みも面白い。

 キム・ソンホは、住民たちから全幅の信頼を寄せられる班長ホン・ドゥシクを演じる。常に自然体でやり過ぎない気遣いが心地よく、いつも彼の周りは笑顔で溢れている。顔を合わせば喧嘩が始まる歯科医(シン・ミナ)とは一線を引き、非常にドライなキャラクターにも見えるが、実は誰よりも相手を気にかけ、ピンチの時は飛んでくるヒーローのような男性だ。ゆっくりと距離を縮めていく歯科医との展開と、徐々に明かされる彼を苦しめる秘密が気になり、毎週新たなエピソードの配信が待ち遠しくて堪らない。

『スタートアップ:夢の扉』(2020年)

 起業をテーマに、夢を追いかけ胸が高鳴る方へと走り出す若者たち(ぺ・スジ、ナム・ジュヒョクら)の挑戦、挫折、恋愛、家族愛を描いた物語。新規事業の立ち上げを描きながら、最後まで揺れる三角関係を描いているのが、この作品の見どころの一つだ。脚本家は『あなたが眠っている間に』や『ドリームハイ』、『ピノキオ』、『君の声が聞こえる』と同じパク・ヘリョンとなる。

 キム・ソンホは、“投資しないと決めた企業の中で成功した企業はゼロだ”と言い切れるほど有能な投資家ハン・ジピョンを演じる。起業を目指す若者たちを成功へと導くために厳しい一面を見せながらも、困った時は面倒見の良さと超ド級の包容力で包み込んでくれる唯一無二の存在だ。幼い頃に出会ったおばあさんの頼みで、正体を隠して主人公ダルミ(ぺ・スジ)と文通を始め、数年後に再会するところから物語がもつれ始める。次第に自覚していく自分の気持ちと葛藤し、ダルミとおばあさんの気持ちを一番に考えながら、三角関係に向き合っていく姿はもどかしく、涙なしには見れない。本作品は、キム・ソンホの人気に更なる火をつけた一作で、第57回百想芸術大賞ではTikTok人気賞を受賞した。

『100日の郎君様』(2018年)

本編シーンより一部チラ見せ!尻にしかれっぱなし!【新婚生活編】

 ある出来事によって記憶を失い、100日間庶民として暮らすこととなった世子(ド・ギョンス)と、正体を隠して生きる女性ホンシム(ナム・ジヒョン)の偽装結婚から始まる物語。気品や高貴な振る舞いは身体に残ったまま、やることなすこと叱られる世子のコミカルな演技が面白く、権力争いに巻き込まれていく2人のシリアスな展開から目が離せない。

 キム・ソンホは、郎君と結婚したホンシムに恋心を抱く漢城府のチョン・ジェユンを演じる。困った時は側で支えながらも、決して自分の気持ちを無理強いしないとにかく優しいキャラクターだ。劇中では、行方不明になった世子の事件を怪しみ、密かに情報収集しながら真相を解き明かしていく重要な役割を担う。物語が後半に進むにつれ、世子と息の合ったシーンが増えていくのが見どころで、世子への忠誠心とホンシムへの恋心どちらを優先するか結末も見逃せない。

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