佐藤健と阿部寛に聞く、役作りへの心得 「その場で感じた感情をただ出していく」
佐藤健と阿部寛から見た清原果耶とは
ーー本作では清原さんも重要な役どころでしたね。
阿部:まだ十代なのに非常にしっかりしていて、現場では自分の考えを監督とディスカッションしながらやっているお芝居が印象的でした。難しい役だったと思うんですけど、自分の中で、現場でその役と向き合っているのが印象的でした。
佐藤:どう育ったらこんなに若いうちから芝居の本質みたいなのを理解して、それを再現するエネルギーやテクニックを持ち合わせられるんだろうって不思議でした。
ーー清原さんもまさに心のままに表現をされているというか。
佐藤:形から入っていく人がいるなかで、そういったことが一切ないですよね。目の前で起きた現象にただただ向き合って、ただただ心のままに動いていたので本物でした。芝居じゃない。本物の人間としてその場に立ってる。
ーー清原さんもそうですが、皆さんお芝居が素晴らしくて。まさにその役として生きているかのようでした。
阿部:皆さんとはそこまで多くはお会いしてませんが、その役をしっかり演じられている方々なのでプロフェッショナルでしたね。
佐藤:共演者が違えば自分の表現も確実に変わっていく。本当にびっくりするくらい変わるんですよ。やっぱり“誰と一緒にやるか”ということは、映画にとってとても重要なことだと思いました。
ーー実際の被災地で撮影されたということですが、撮影を通して改めて感じたことはありましたか?
佐藤:美術さんが限りなく当時の様子を再現してくれたんですよ。そこで“こういうことだったんだ”と肌で感じることができました。映像で見るのとは一回りも二回りも違いました。
阿部:スタッフの方々がかなりリアルに再現してくれたというのは、非常にありがたいことでした。いい状況を作ってくれたんだなと思います。実際にその地に立つこともあったんですけど、まだ建物とかも復興しきれていないという現状で。それを目の当たりにして、その当時の状況をできる限り想像しました。
ーー素晴らしいキャストとスタッフが揃った作品だったんですね。改めて完成された作品をご覧になられていかがでしたか?
佐藤:僕は阿部さんとの共演は後半しかなくて、阿部さんサイドのシーンを見る機会がなかなかなかったので、まずそこに引き込まれました。阿部さんはもちろん、出演されている方々の芝居が素晴らしかったです。
阿部:皆さんが、脚本を読んだ時の自分が想像していた以上に演じていて。皆さんの追い求めていた思いが繋がった作品になっていて感動しました。ぜひたくさんの方に観ていただきたいですね。
■公開情報
『護られなかった者たちへ』
10月1日(金)全国ロードショー
出演:佐藤健、阿部寛、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都、永山瑛太、緒形直人ほか
原作:中山七里『護られなかった者たちへ』(NHK出版)
監督:瀬々敬久
脚本:林民夫
音楽:村松崇継
主題歌:桑田佳祐「月光の聖者達ミスター・ムーンライト」(タイシタレーベル/ビクターエンタテインメント)
配給:松竹
企画:アミューズ
制作:松竹撮影所
(c)2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/mamorare/