長澤まさみを“磨き上げた”『マスカレード』シリーズ 作品ごとに進化する女優としての魅力

 木村拓哉が主演を務める映画『マスカレード・ナイト』が、2週連続で動員1位を獲得。客が皆仮面で顔を隠す“マスカレード・ナイト”を舞台に、木村演じる刑事・新田浩介が次から次へと出てくる正体不明の容疑者たちの姿を暴いていく壮大な謎解きエンターテインメントだ。大ヒットを記録した前作『マスカレード・ホテル』(2019年)と変わらず、華やかなホテルで起こる殺人事件というシーンの光闇ギャップ、個性豊かで怪しすぎる登場人物たち、最後まで何が起こるかわからないハラハラ感などが視聴者の心を掴んでいる。

映画『マスカレード・ナイト』予告【9月17日(金)公開】

 主演の木村のほか、容疑者として沢村一樹や勝村政信、木村佳乃、麻生久美子、高岡早紀、博多華丸ら“主役級”キャストが勢ぞろいし、怪演を見せている本作。しかし筆者は、長澤まさみの女優として“磨き上げられた”演技から目が離せなかった。

 長澤といえば、2004年に出演した『世界の中心で、愛をさけぶ』で白血病治療の副作用による脱毛症を抱えた亜紀役を演じるにあたり、自ら申し出てスキンヘッドに。まだ10代の“女の子”であった彼女には、大きな決断だっただろう。この努力は報われ「日本アカデミー賞」での助演女優賞など多くの賞を受賞した。

 長澤の真の魅力を発揮したのは、映画『モテキ』(2011年)で演じた松尾みゆき役ではないだろうか。長澤のキュートな笑顔に心奪われなかった人は、きっとこの世にはいない。ハツラツとした笑顔が映えるショートヘアー、長くて美しい脚を魅せるショートパンツ、サバサバした性格で一緒にいて楽しいみゆき。多くの男性の心に手裏剣を突き刺した「ドロンしま~す! シュシュシュシュ」シーンは、実は長澤のアドリブだったんだとか。大胆なベッドシーンもあり、体当たりの演技が話題となった。

 そして、フジテレビ系「月9」枠単独初主演を務めた『コンフィデンスマンJP』(2018年)は、長澤が女優として“一皮むける”きっかけとなったように思う。演じるダー子は“詐欺師”ということから、劇中20以上のキャラクターに変装するシーンが。見た目もだが、長澤のすごいところは声や話し方、トーンなども変えるという徹底ぶり。彼女の表現の幅を広げた作品だったのではないだろうか。

『コンフィデンスマンJP』(c)2019「コンフィデンスマンJP」製作委員会

 その後も多くのドラマ・映画で主演やメインキャラクターを務め、その美貌で作品に華を添え、コロコロと変わる表情・仕草で視聴者を画面に釘付けにしてきたーー彼女の魅力は、そうなのだと思っていた。

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