Netflix実写版もまもなく配信 今なお愛され続けるアニメ『カウボーイビバップ』とは?

 Netflixで配信される実写版でも菅野よう子が引き続き起用されることが発表されており、ファンは喜びの声を挙げた。音楽面でも大きな挑戦をした作品だけに、こちらにも注目してほしい。

 映像面では派手なアクション描写が話題になりやすい。手掛けたのは、現在でも活躍する日本有数のアクションアニメーターである中村豊。劇場版の『カウボーイビバップ 天国の扉』では作画監督も務めている。、中村が手がけたスパイクたちの流れるような体術アクションなどは、今見てもまったく色あせていない。世界中でファンや、目標とするアニメーターとして名前が上がるほどだ。

 動きも面白いのだが、キャラクターデザインにも注目したい。今作の特徴としては、宇宙を舞台にした作品ということもあり、人種が一眼でわかるというものがある。スパイクやフェイは日本のアニメらしく東アジア系の風貌をしており、ゲストキャラクターには一眼でラテン系、黒人系などとわかるように造形されている。

 それらの描写が90年代の作品としては珍しいほど、ステレオタイプの表現が少なく、まるで多様性の重要性が叫ばれる現代の物語を見ているようだ。地球から離れた太陽系を駆ける宇宙の話だからこそ、人種の多様性を描くことで世界観の広さがはっきりと伝わってくる。この表現もまた、当時としては先進的なものだったのではないだろうか。

 アニメの登場人物としては、少し歳をとっている主要キャラクターが多く(ほぼ20代以上)、現代的な萌え描写もない、渋いストーリーもある作品だ。だからこそ、今にも響く”だらしないカッコよさ”に溢れており、それが世界的に熱狂的なファンを多く生み出したことは、疑いようがない。現代でも通用するであろう、制作の若さと熱意がたくさんこもった名作だ。

■配信情報
Netflixオリジナル『カウボーイビバップ』
11月19日(金)Netflix独占配信

関連記事