『恋の病』のパイロット版『駐車』公開 iPhoneで撮影する姿捉えたメイキング写真も
映画『恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜』のパイロット版として製作された短編『駐車』が公開された。
本作は、『あの頃、君を追いかけた』など数々の作品で執行監督を務めてきたリャオ・ミンイーの監督デビュー作。「恋は盲目」をテーマのひとつに、「恋の約束と固執」を描く。
潔癖症であり、外出を避けるため自宅で作業ができる翻訳業で生計を立てながらも、パソコンのタイピングが異常に苦手で仕事に支障を来しているという風変わりな⻘年ボーチンを演じたのは、役所広司主演映画『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』にも出演していたリン・ボーホン。潔癖症である上、スーパーマーケットで万引きを重ねてしまう窃盗症の女性ジンをニッキー・シエが演じた。
10年前からiPhoneでの映画撮影を研究してきたリャオ・ミンイー監督。10年前にiPhone 4Sで初めて撮影に挑戦し、その後も新しいiPhoneが発売される度に購入し、その度にソフトウェアもアップグレードし続けてきた。
そして2018年に、台湾の歌手クラウド・ルー(盧廣仲)の「明仔載(英題:Hope One Day)」のミュージックビデオ全編をiPhone 8 Plusで撮影。監督曰く「iPhoneでここまでの映像が撮れることを証明したかった」と振り返る。
そして2019年に、『恋の病』の脚本候補の中からパイロット版となる『駐車(原題:停車)』の全編をiPhone XS Maxで撮影。この『駐車』の完成度の高さから『恋の病』の制作はスムーズに進行できたという。『駐車』には、『恋の病』の主演2人も登場。リン・ボーホンのキャラクターは一緒だが、独特の髪型はまだ鳴りを潜めている。ニッキー・シエもキャラクターは一緒だが、『駐車』での妖艶さから『恋の病』ではヘアメイクも一変し、活発で明るいキャラクターへ変更されていることが伺える。また、『駐車』で主役の医者を演じたチャン・シャオハイは、『恋の病』でも同一人物の医者として登場する。
『恋の病』も全編iPhone XS Maxで撮影されており、台湾で初となる全編iPhone撮影の商業長編映画となった。さらに、世界的映画祭のひとつである台北映画祭の今年のプロモーション映像もリャオ・ミンイー監督が制作している。短編映画『家に帰る(原題:回家)』は、ホラー映画が大好きなリャオ監督が、『恋の病』のスタッフとともに全編iPhone 12 Pro Maxで撮影。特殊メイクで全く認識できないが、ニッキー・シエが恐ろしい怪物の役を演じている。
あわせて公開されたメイキング写真では、『恋の病』が全編iPhoneで撮影されていることが垣間見える。通常のカメラでは撮影不可能なアングルなど、iPhoneならではの自由度の高い撮影ができていることがわかるスチールとなっている。
■公開情報
『恋の病 〜潔癖なふたりのビフォーアフター〜』
シネマート新宿・心斎橋ほか全国順次公開中
監督・脚本:リャオ・ミンイー
出演:リン・ボーホン、ニッキー・シエ
配給:エスピーオー、フィルモット
2020年/台湾/カラー/100 分/ビスタサイズ/5.1ch/原題:怪胎/英題:I WeirDO
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