杉咲花、清原果耶、広瀬すず 朝ドラヒロインのアニメ映画での活躍に監督の狙いあり?
ほかにも、アニメ制作現場の黎明期を描いた朝ドラ『なつぞら』で、アニメーターの奥原なつを演じた広瀬すずは、それ以前にも『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の主人公・及川なずなを演じている。『半分、青い。』で耳に障がいを持つ主人公・楡野鈴愛を演じた永野芽郁は、アニメ映画『二ノ国』でヒロインのコトナの声を、『とと姉ちゃん』で主人公の小橋常子を演じた高畑充希は、『ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜』で、主人公の森川ココネと、そのココネがみる夢の中に現れるもうひとりの主人公であるエンシェン・ト・ハートの声をそれぞれ担当している。
NHK連続テレビ小説のヒロインという大役において、初々しくも鮮烈さを持って、生き生きと演じる彼女たち。その存在感とポテンシャルの高さは、実写のドラマや映画だけに収まるものではない。声という分野においても輝きを決して失わないことは、すでに彼女たち自身が証明している。
その上で感じるのは杉咲をはじめどの女優も、演じたキャラクターとその女優自身にどことなく重なる部分があるということ。
すでに実写化されている作品もあるが、もしもそのアニメ映画が実写化された時に、声優を務めた女優がそのままその役を演じても、あまり違和感がないだろうと思える。きっとキャスティングには、もちろん話題性や声の相性、演技力の高さは大前提だろうが、そこに加えて演じる人の雰囲気や内面、隠されたポテンシャルの高さも見越しているだろう。監督の目に映っているのは、アニメのキャラクターではなく、実際にいるかもしれない女の子。キャラクターと女優がイコールで結ばれた時、アニメという二次元から飛び出して、そのキャラクターが生き生きと動き出すのではないだろうか。
■公開情報
『サイダーのように言葉が湧き上がる』
全国公開中
出演:市川染五郎、杉咲花、潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎、中島愛、諸星すみれ、神谷浩史、坂本真綾、山寺宏一
原作:フライングドッグ
監督:イシグロキョウヘイ
脚本:佐藤大
キャラクターデザイン:愛敬由紀子
音楽:牛尾憲輔
アニメーション制作:シグナル・エムディ×サブリメイション
製作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会
配給:松竹
(c)2020フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会 (c)KAZUMI KURIGAMI
公式サイト:cider-kotoba.jp
公式Twitter:@CiderKotoba