杉咲花、清原果耶、広瀬すず 朝ドラヒロインのアニメ映画での活躍に監督の狙いあり?

 2度の延期を経て7月22日、アニメーション映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』が公開を迎えた。ヒロインの少女・スマイルの声優を務める杉咲花は、先日までNHK連続テレビ小説『おちょやん』でヒロイン・竹井千代を演じていたが、これまでも朝ドラのヒロインでは、清原果耶、広瀬すず、永野芽郁、高畑充希などが声優経験を持つ。朝ドラのヒロインをアニメ映画に起用する理由とその魅力を分析する。

監督の目に映っているのは“実際にいるかもしれない女の子”

 映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』は、どこか懐かしい風景が残る郊外の街を舞台に、ひょんなことで出会った少年少女が、古いレコードを探す過程で距離を縮めながら、それぞれのコンプレックスと向き合っていく青春ストーリー。

 杉咲が声を担当するスマイルは、矯正中の前歯がコンプレックスで常にマスクをしている、動画配信サービスで人気のJK配信者というキャラクター。杉咲は10代特有の繊細さや無垢さ、スマイルの持つ天真爛漫な明るさを、無理なく等身大で演じた。声とキャラクターの相性に全く違和感がなく、スマイルを見ていると、背格好や顔の雰囲気など杉咲をモデルにしたのではないかと思うくらい、イメージが見事に1つに重なってくる。

 杉咲は『メアリと魔女の花』でも主人公メアリ役で声優を努めていた。当時すでに19歳だった杉咲は、実年齢とは離れた11歳の少女であるメアリが真実と向き合い決意し立ち向かう姿をみずみずしく演じて話題になったが、実は朝ドラのヒロインに抜擢される女優は、アニメ映画でもヒロイン役に抜擢された経験を持つことが多い。

 現在放送中の朝ドラ『おかえりモネ』のヒロイン・永浦百音を演じている清原果耶は、昨年公開された『ジョゼと虎と魚たち』で、関西弁で車椅子の少女のジョゼを演じている。現在19歳の清原は、年齢のわりにどこか落ち着いたクールな雰囲気が魅力。高飛車だがその内面に様々なものを抱えたジョゼという役は、清原のクールさの奥底から、エモーションが放たれるような雰囲気で鮮烈さを放っていた。

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