『終末のワルキューレ』海外で大反響 格闘アニメの世界人気ともう一つの話題作が背景に

 6月中旬から配信開始となったNetflixオリジナルアニメシリーズ『終末のワルキューレ』が世界的に多くの視聴を獲得しているようだ。

 本作は、『月刊コミックゼノン』で連載中の梅村真也(原作)、フクイタクミ(構成)、アジチカ(作画)による同名漫画を原作としている。神と人類代表のガチのタイマンバトルで人間の未来を決するというコンセプトで、神話の神々と歴史上の偉人たちによる熱い戦いを描く作品だ。2018年に発売された第1巻が発売直後に品薄となり即重版となるなど、国内で人気を集めている。その作品が、日本国内のみならず世界的にも多くの視聴者を獲得しているのは、なぜなのかをちょっと探ってみることにする。そこには、Netflixのアニメシリーズにおける、独特の情報の流れや傾向が表れているように思うので、そこを考えてみたい。

『終末のワルキューレ』は6月月間世界9位にランクイン

 Netflix上での人気の傾向を測るのは、とても難しい。Netflixのレコメンデーションは、精緻にパーソナライズされているので、そこに表示される作品群はユーザーごとに異なる。デイリーの国内トップ10はトップページに表示されるが、ランキングは毎日変動するので、定量的にどの作品が多く鑑賞されているのかを把握するには毎日トップ10の変動を記録し続けるしかない。しかも、11位以降の作品は情報を得る方法はない。

 しかも、Netflixは世界中で利用されているプラットフォームだが、表示されるデイリーランクは国内限定なので、世界の傾向となるともっとよくわからない。オリコンやビデオリサーチのような、第三者機関によるランキング発表する存在がない上に公式からも発表が少ない。

 だが、FlixPatrolといった、世界のデイリーランクを常時記録しているサイトなどを見るとある程度の傾向が見て取れる。このサイトは約100のNetflixのデイリーランクを常時集計している(※Netflixは現在約190の国でサービス展開しているので、すべての国を集計しているわけではない)。

6月のNetflixTVショー部門世界総合視聴数ランキング(FlixPatrol調べ)

 『終末のワルキューレ』は、このサイトによると、TVショー部門6月の世界総合ランクで9位に位置している(参照:TOP 10 on Netflix in the World in June, 2021|FlixPatrol
 )。配信から約3週間経過した7月2週目においてもまだまだ勢いは続いており、10の国のデイリーランクのトップ10に顔を出しているようだ。Netflixの公式発表のランキングではないが、およその傾向として世界的になかなか多くの人に視聴されているというのは事実だろう(参照:Record of Ragnarok on Netflix TOP 10 this week|FlixPatrol)。

7月2週目の『終末のワルキューレ』各国ランキング(FlixPatrol調べ)

※以下の本記事のランキングの記述も全てFlixpatrol調べ

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