『おかえりモネ』の名演にも活きた? King & Prince 永瀬廉の実直な人柄

『おかえりモネ』にも活きた永瀬廉の実直さ

 映画主演は2019年5月公開の『うちの執事が言うことには』と、ドラマ主演よりも一足お先に映画主演デビュー。2020年8月公開の映画『弱虫ペダル』でも、主人公・小野田坂道役で主演を務めた。人気漫画作品の実写映画化と注目を浴びるなか、自転車練習に励み、運動が苦手で友達がいないアニメ好きである坂道の心の成長、奮闘ぶりを見事に演じてみせた。

 キャスティングにあたっては、寺西史プロデューサーからこんなエピソードが語られた。「坂道の持っている一生懸命さ、明るさ、そして芯の強さ。描きたいと思っていた主人公が永瀬さんの中にありました」(参照:King & Prince 永瀬廉主演で『弱虫ペダル』実写映画化決定 伊藤健太郎、橋本環奈が共演に)。

 一見クールにみえる永瀬だが、芝居となるとそのイメージががらり変わる。反抗的な声から、曇りのない透明感ある声まで、声色を絶妙に調節するのはもちろん、憤りを含んだ表情からにこやかな表情、一生懸命さ、夢に向かって奮闘する意志、ひたむきさを、チャームポイントの一つである目を駆使して表現している。

 そしてトークでも同様に印象が変わる。グループではMCとしてトークを回したり、単独で出演するラジオ番組『King & Prince 永瀬廉のRadio GARDEN』(文化放送/レコメン!内)でも、テンポ良くトークを展開する永瀬。『おかえりモネ』での吹奏楽部のシーンについてお便りが寄せられると、「トランペットめっちゃムズかった!」と本音を語る。他にも自宅練習を重ねたことや息の吐き方に苦戦したことを明かしたほか、演奏シーンについては「幼馴染とか、あと地元の方々の吹ける中学生役の子たちとも吹いたのが一番楽しかった」と懐かしむように撮影を振り返っていた。

 時にはミーハーっぽい一面をのぞかせることも。日本アカデミー賞授賞式に出席した際に、二宮和也とツーショット写真を撮影したこと、その撮影を妻夫木聡が撮ってくれたことなどを声を弾ませてリスナーに報告していた。そんな素直で可愛らしい発言を通して、まっすぐに喜びを伝えられるのも永瀬の魅力であり、表現者らしい一面だ。『おかえりモネ』での、言葉にならない悲しみを内包した上での演技には、永瀬の優しさや素直さが活かされているのではないかと思う。

※高橋海人の「高」は「ハシゴダカ」が正式表記。

■柚月裕実
Web編集者/ライター。企画、担当編集、取材・執筆してます。
日本の男性アイドルの頑張りを見ては涙する30代。
始まりはSMAP中居さん。 KAT-TUN、NEWS中心の事務所担。年中HDDの整理と原稿書きに追われています。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる