清原果耶×坂口健太郎が互いに感じた“熱” 『おかえりモネ』急速に距離を縮めた百音と菅波
「知識は武器です。持ってるだけでは何の意味もないし使い方も難しい。ですが、持っているに越したことはありません」
『おかえりモネ』(NHK総合)第25話は、菅波(坂口健太郎)が理科の教科書とともに、百音(清原果耶)へ贈ったその言葉が早くも実感させられる回となった。
新規事業の開拓を任され、広葉樹を使った学童机づくりを思いついた百音。若いアイデアをもとに年長者たちが動き始め、順調だった企画は納期の関係で頓挫してしまう。最大の問題は、ナラの木の乾燥。それには時間がかかり、半年で4200個を納品するのは難しい。
そこで百音が思いついたのは、ビニールハウス乾燥だった。ビニールハウスは太陽の熱を集め、ハウス内の飽和水蒸気量を増やして乾燥を早める。菅波から教わった知識が、百音の中で実践に結びついたのだ。
こんなの素人の思いつきかもと自信なさげな百音に、「素人が馬鹿なふりして突っ込んでいくから“ブレイクスルー”ってのは起きるのよ」と言うサヤカ(夏木マリ)。その言葉通り、森林組合の面々は「運搬費ばかりかかって利益があまりない」「でも今回はかなり大口の受注だから採算面は余裕があるんじゃないか」と意見を出し合って現実的な実践につなげていく。
しかし、広葉樹のような無垢材は乾燥過程で曲がったりよじれたりすることがあり(これを「暴れる」と表現するのだとか)、手作業で机をつくる人が必要だ。それでも百音たちは諦めず、作業に入ってくれる職人さんたちを探す。
限られた時間、限られた予算、限られた人員。厳しい条件下ではあるが、ここでもサヤカの「みんなのためになることを考えれば人は動く」という言葉通りに登米市中から協力者が集まってくる。“木工界のレジェンド”と呼ばれる、今は引退した職人さんたちが現れた瞬間は、まるでスーパーヒーロー登場のように痺れた。
鉄やコンクリートを使う方が、木よりはるかに安くて早いのかもしれない。だが、どんなに手間暇がかかっても、木を使った温かみのある手作りの学童机を子供たちに届けたいという願いに突き動かされる彼らはなんて輝いているんだろうか。