北川景子が考える“家族”の在り方 『リコカツ』最終回は“そうきたか”と思える終わり方に

 いよいよ6月18日に最終話を迎える金曜ドラマ『リコカツ』(TBS系)。

 第9話でお互いの気持ちを確認し合い、やり直すことを誓った咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)だが、その結末やいかに。今回リアルサウンド映画部では、最終話を前に、主演の北川景子に本作への想いや最終回の見どころを聞いた。

綿密な打ち合わせを行った永山瑛太との関係性

――これまで『リコカツ』で主人公を演じてきて、いかがでしたか?

北川景子(以下、北川): 撮影が始まったときはどんな結末を迎えるのか私たち役者は聞かされておらず、第1話・2話を演じていた時にはまだ離婚するのかどうなのかも知らなかったんです。第6話で離婚届を出してからはさらにどうなるんだろうと思いながら撮影していました。そんな中でも“こういう終わり方で良かった”というラストになったと思います。リアルな時間軸でいくと1カ月の結婚生活を経て離婚して、そこから半月しか経っていないのに“お互いにやっぱりお互いしかいない”と確認し合うというドタバタ劇で、そのドタバタ感も含め、リアルに皆さんに観てもらえるようにこれまでのやりとりや人間模様を積み重ねてきたつもりです。ツッコミ出したらキリがないストーリーだと思うんですが、そこをラブコメとして、ドラマとして皆さんに楽しんでいただけるようにするには、“どういうさじ加減でお芝居をしたらいいのか”、“この台詞よりもこういう言い回しの方が伝わるんじゃないか”とか、(永山)瑛太さんご本人とプロデューサーも含め毎話打ち合わせをしたり、話したりしました。その甲斐あって“脚本以上のもの”を皆で構築できたと思います。すごく達成感がありますし、安心してお届けできると思います。

――紘一役を演じる永山瑛太さんとのやり取りで印象的なことがあれば教えてください。

北川:第6話までは撮影日と別にリハ日があって本読みをしていました。そこで、血が通っていないと思う台詞については別の言い回しを考えたり、場当たり的にセットで動いて確認していました。毎回、瑛太さんがアイデアを出してくださって“あ、そっか。そうすればいいんだ”と思うことがいっぱいありました。第5話で離婚届に最終的に判子を押すことになったシーンの「じゃあ、あなたが仕事を辞めて家庭に入ってもらう訳にはいかないの?」という咲の台詞も、台本上はかなり長くて。ただ、台本ではそんなに迫力や緊張感があるような重いシーンだとは想像できなかったんですが、2人でリハーサルをやった時に“ここはもっと本気で演らないと2人が離婚を選んだ理由が伝わらないよね”ということになって、本番はかなり集中して撮影に臨みました。いつも1人で台本を読んだ時に感じたこと以上のものが瑛太さんと2人で演るとできました。離婚届を出した後の区役所前でのシーンも、お互い手を離したくないという演出は台本では書かれていなかったことで、2人で演じてみて生まれたものです。私が泣くはずのシーンじゃなかったんですが、あそこまでドラマチックなシーンになるとは思っていなかったです。台本だとさらりと書かれているシーンも2人で演じると“ここが実は肝になるんだ”ってことが後からわかることがあったり、“このシーンでは言葉は要らないよね”ということで台本に書かれていた台詞が大幅にカットになったこともありました。

――本作は「離婚活動」がテーマながら、胸キュンシーンに沸いている視聴者も多い印象がありますが、そういった反響は予想されていましたか?

北川:放送後に“ここが胸キュンだ”というコメントが結構多いと聞いて、驚きました。抱き合いのシーンで瑛太さんと私の身長差がいいというようなコメントまで出てきているのは意外で。私自身はまずは王道の「ホームドラマ」がベースにあって、そこに咲と紘一のラブコメ要素も散りばめられているくらいに考えていたので、もちろん狙って演っているわけではなく、このリアクションは正直予想していなかったです。

――ちなみに北川さんが胸キュンされたシーンがあれば教えてください。

北川:第3話で2人で箱根の旅館に行って雨の中「雨宿りをしているのかも」っていう台詞が好きでした。意外と2人が初めて自分たちの本音をちゃんと見せ合ったシーンかなと思って印象に残っています。ただ、実は私は結構(咲の元彼の)貴也(高橋光臣)推しなんですよね。貴也に“人間的な問題はないよなぁ〜”と最後まで思いながら演っていました。貴也が「やり直さないか」と言って傘を投げるシーンはトレンディーで王道で、好きなシーンでした。

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