『桜の塔』最終回は鮮やかな伏線回収劇に 視聴者にも問いかけられた「正義とはなんだ?」

『桜の塔』最終回は鮮やかな伏線回収劇に

 その引き金を引く後押しをしたのが富樫(岡田健史)。重体となっていた蒲生(森崎ウィン)のために必死になり、他人のために泣くことができる富樫の姿に爽は心を打たれ、「人を助けるために警察官をやりたい」と改めて思うことができた。富樫と爽の左手薬指にはお揃いのリングが光っていた。

 桜の塔の出世レースを勝利したのは意外にも権藤(吉田鋼太郎)という結末に。漣はその下の警視長という位に止まった。物語は改革派に入った富樫を呼び出した漣の「お前にとって正義とはなんだ?」という問いかけで幕を閉じる。これは第1話で千堂が漣に放ったセリフ。そして、『桜の塔』を通じて、さらには武藤将吾が一貫して描いてきたテーマでもある。漣が問いかけているのは富樫だけでなく、視聴者一人ひとりが持つ正義のあり方についてだ。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『桜の塔』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:玉木宏、広末涼子、岡田健史、仲里依紗、森崎ウィン、橋本じゅん、高岡早紀、光石研、吉田鋼太郎、椎名桔平、段田安則、渡辺大知、馬場徹、井本彩花、岡部たかし、小松和重、長谷川朝晴、駒木根隆介、小林優仁、関智一
脚本:武藤将吾
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)、中沢晋(オフィスクレッシェンド)
演出:田村直己(テレビ朝日)、星野和成、片山修(テレビ朝日)
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作著作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/sakuranotou/
公式Twitter:https://twitter.com/SakuranoTou_ex
公式Instagram:https://www.instagram.com/sakuranotou_tvasahi/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる