『ドライブ・マイ・カー』カンヌ映画祭コンペ部門出品へ 濱口竜介、西島秀俊らも喜びの声

 8月20日公開の濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』が、7月6日より開催される第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ正式出品されることが決定した。

 

本作は、村上春樹の同名短編小説を、濱口監督自らの希望で映画化し、脚本も手がけたロードムービー。妻を失い、喪失感のなかで生きる舞台俳優の家福と、寡黙な専属ドライバー・みさき、愛車サーブを通して出会った孤独な2人が、一筋の希望にたどり着くまでを描く。

 西島秀俊が主人公・家福役、三浦透子がヒロイン・みさき役を務める。さらに、物語を大きく動かすキーパーソンとなる俳優・高槻を岡田将生、秘密を抱えたままこの世を去る家福の妻・音を霧島れいかが演じる。

 今回のコンペティション部門への出品は、濱口監督にとっては、商業長編デビュー作『寝ても覚めても』に続く、2度目の同部門出品。加えて、これまで、第71回ベルリン国際映画祭で短編集『偶然と想像』が銀熊賞を受賞している。濱口監督は、今回のコンペティション部門への正式出品について 「歴史あるこの映画祭で、多くの観客がこの映画と初めて出会うことを想像して湧き上がるような興奮を感じています」 と語る。

 また、本作の上映尺が2時間59分であることも発表。「心に直接響く、感動的なこの作品を国際マーケットでシェアできることが待ちきれない!」と惚れ込んだセールスカンパニーThe Match Factoryが海外セールスを担当する。さらに、グザヴィエ・ドラン、ダルデンヌ兄弟作品などを配給してきたDiaphanによるフランス公開も決定した。

 今回の出品決定に際して、濱口監督、西島、三浦、岡田、霧島からはコメントが寄せられている。

コメント

濱口竜介監督

先日完成を迎えた映画『ドライブ・マイ・カー』が、第74回カンヌ国際映画祭オフィシャルコンペティションに選出されました。
歴史あるこの映画祭で、多くの観客がこの映画と初めて出会うことを想像して湧き上がるような興奮を感じています。
この映画に写った素晴らしい俳優たちの演技を、そこから世界に向けて示せることにワクワクします。この映画に携わったすべてのキャスト・スタッフ、そして原作者の村上春樹さんにこの場を借りて、心からの御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。未だコロナ禍の困難な状況下ではありますがカンヌの地を、ともにこの映画を作った仲間たちと踏むことができたらこの上なく幸せなことです。今は上映のその時を心待ちにするばかりです。

西島秀俊

濱口監督は、恋人や友人同士の心の機微を厳しく、美しく描いてきました。
今作品、村上春樹さん原作の映画『ドライブ・マイ・カー』では家族について、そしてより遠い人との関係について描いています。絶望の果てに人は再生出来るのか。撮影をしながら監督はずっと問い続けていたと思います。
監督が人間について深く思考し愛情を注いだ『ドライブ・マイ・カー』のカンヌ映画祭コンペ部門選出を心から嬉しく思います。濱口監督、おめでとうございます。沢山の皆さんに観て頂けることを祈っております。

三浦透子

沢山の方の目に触れる大きな機会をいただけたこと、本当に嬉しく思います。心から尊敬できるスタッフ・キャストの皆さまと一緒に仕事ができて、本当に幸せな時間でした。改めて、『ドライブ・マイ・カー』という作品に参加させていただけたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。海の向こうの方々にどんな風に届くのか、今からとても楽しみです。

岡田将生

こんな嬉しいニュースはありません。
キャスト、スタッフは監督が作った脚本に真摯に取り組み、改めて映画の力を感じた気がします。
海外のキャストとも映画祭の話をしていたので、まさかまさかで、、この話を聞いたときは時間が止まってしまいました。
僕自身この映画を見て心が震えました。この映画に参加できて幸せ者です。
海外の方々にもこの映画の素晴らしさが伝わることを願っています。

霧島れいか

この作品に出会い、参加できたことに心から感謝しています。私にとって宝物のような作品です。そしてこの素晴らしい知らせを受け、監督はじめキャスト、スタッフの皆様の顔を思い浮かべながら喜びで胸が熱くなりました。全員の心が真っ直ぐ込められたこの映画をたくさんの方々に観て頂けることが大変嬉しく、こんなに幸せなことはありません。
改めて濱口監督おめでとうございます。

■公開情報
『ドライブ・マイ・カー』
8月20日(金)より、TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー
出演:西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、パク・ユリム、ジン・デヨン、ソニア・ユアン、ペリー・ディゾン、アン・フィテ、安部聡子、岡田将生
原作:村上春樹『ドライブ・マイ・カー』(短編小説集『女のいない男たち』所収/文春文庫刊)
監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介、大江崇允
音楽:石橋英子
製作:『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド
制作プロダクション:C&I エンタテインメント
配給:ビターズ・エンド
(c)2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
公式サイト:dmc.bitters.co.jp

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