坂本冬美、『竜とそばかすの姫』で声優初挑戦 主人公を見守る合唱団に森山良子ら集結

 7月16日に公開される細田守監督最新作『竜とそばかすの姫』に、森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美、中尾幸世が参加していることが発表された。

 細田監督作品としては、『時をかける少女』以来となる10代の女子高校生がヒロインとなる本作。母親の死により心に大きな傷を抱えた主人公が、“もうひとつの現実”と呼ばれる50億人が集うインターネット上の仮想世界「U」で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする勇気と希望の物語を描く。

 現実世界で、すずと同じ高知の高校に通う同級生たちの声を成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、相対する超巨大インターネット世界「U」を彩るキャラクターたちの声を森川智之、津田健次郎、小山茉美、宮野真守が担当する。

 今回発表された5人は、すずの母親が所属していた合唱隊員で、その母の死後、すずを母親代わりのように見守ってきた人物を演じる。合唱隊をまとめるリーダーを森山が演じるほか、清水、岩崎、中尾、そして本作が声優初挑戦となる坂本がメンバーに揃い、“歌”のプロフェッショナルが集結した合唱団が完成した。

 『思い出のマーニー』で声優初挑戦を果たした森山は、漁師として働きながら、合唱隊のリーダーも務める・吉谷さん役。さらに、芸達者なピン芸人として、数多くのドラマにも出演する清水ミチコが、『ちびまる子ちゃん』や『サーフズ・アップ』以来の声優として、酒店を営む喜多さん役を演じる。また、医師である中井さん役を演じるのは、『姿三四郎』以来の声優ながら、2006年から長年『おさるのジョージ』のナレーションとして活躍し、声を当てる仕事としては、このメンバーの中で一番のベテランである岩崎。そして、大学講師の畑中さんを、『四季~ユートピアノ~』(NHK総合)のヒロインに抜擢され、国内外の数々のテレビ賞を受賞し、エミー賞にもノミネートされた実力者ながら、その後はラジオドラマや朗読会といった声の仕事で、活躍の場を広げていった中尾が演じる。また、演歌歌手としてキャリアを誇る坂本が、本作で初の声優に挑戦する。

 さらに5人は、上記の役柄を演じるだけではなく、本作の中で「Alle psallite cum luya(いざ、リラを奏でて歌わん)」という合唱曲も披露。「Alle psallite cum luya(いざ、リラを奏でて歌わん)」は、歌唱やコーラスにおいて百戦錬磨の森山でも苦戦するほど、特に難易度が高い合唱曲。5人はそれぞれ多忙の中、アフレコとは別日で全員が揃う歌録りの日を設け、その日のために各自が自主練習を重ねて本番を迎えた。当日は、はじめて5人で歌うということもあり緊張した様子だったが、何度か歌っていく内にすぐに綺圧巻のハーモニーがスタジオ内に響くようになり、スムーズに歌録りを終えた。

 その後の取材では、森山が他の4人に、合唱曲をスローテンポにして覚えやすく編集した練習用の音源や、愛用しているのど飴をプレゼントした話が明かされ、メンバー最年長の森山の気遣いに、4人も感謝しきりの様子。さらに、「またこのメンバーで集まるとしたら何をしますか?」という質問に対し、「(清水)新曲を歌いたい!」「(森山)アルバムリリースします!」「(一同)賛成!!」と盛り上がる一幕も。実際に会ったのは短い時間ながらも、和気あいあいとした絆や団結力を感じる収録となった。

キャスト コメント

森山良子(吉谷さん役)

割とコーラスに慣れているつもりなのですが、今回の合唱曲は中々覚えるのが大変でした。
譜面をいただいた時には、何百年も前のメロディで、歌ったことが無い曲だったので、最初からつまずきそうになりましたが、こうしてレコーディングしてみると、今までにない、良い味を出している曲だなと思いました。
次にまた5人で集まれたら……アルバムを作ります!(笑)
細田監督は、本当にあたたかくて、優しくて、そして真摯な気持ちで丁寧に映画を作られていると思いました。きっとアニメーションを作っていく現場も日々すごいことが起こっていると思うのですが、この前向きさ、丁寧さが、素晴らしい作品を作って、前に進んでいくエネルギーなんだなと思いましたし、何よりそのお人柄に感動しました。
すず役の方が、アフレコ現場に、見学にいらしていたのですが、本当に普通のお嬢さんという印象で、彼女の情報が未解禁なので「(周りの人に)すごく言いたい!」と言っていて、可愛らしかったです。

清水ミチコ(喜多さん役)

私はピン芸人なので、皆と一緒にというのがとても弱いんですよね(笑)
でも、今日皆さんと一緒に歌ってみて、一つになれるって素晴らしいなと思いましたし、感動して、コーラスに参加する人の気持ちよさがすごく分かりました。次にまた5人で集まれたら……新曲を出したいですね!
アフレコの時、皆がいる前で、ブースの向こうから「もう少しこうですよ!」と指示を出されるのって、結構キツイものがあるのですが、細田監督は、毎回毎回傍まで来て下さって、本人だけに聞こえるように注意して下さって、人を傷つけない方だなと思いました。
私は普段ガサツなおばさんの役が多いので、今回もそうかなと思っていたのですが、今回やっていくうちに「あら、私のいいところが出てるじゃない!?」と思って、嬉しかったです(笑)

坂本冬美(奥本さん役)

演歌歌手なので、コーラスで合わせるということが今回初めてで、先輩方の声を聴きながらも、聴きすぎてつられないよう、そのあたりのコントロールが難しいなと感じながらやっていました。皆さん大先輩方ですが、黙っていても気を遣わないでいられる、とても良い雰囲気で、そこに参加できて幸せだなと噛みしめながら歌わせて頂きました。
アフレコ自体も初めてだったので、とても緊張したのですが、細田監督は「こういった風にセリフを言った方がいいと思いますよ」と、本当に親切に分かりやすく教えて下さいました。とてもお優しい方で、だからこそあんなにあたたかい映画になるんだろうなと感じました。ベル役の方の歌声を聴いたら、鳥肌が立って……。将来どれほど大きなアーティストになっていくんだろうと、これからが楽しみだなと思います。

岩崎良美(中井さん役)

皆さんの足を引っ張ってはいけないと、自分の中でできるところまで練習してきたのですが、今日出来上がったものを聴いて、自分で言うのもなんですが、結構感動しました(笑)
森山さんが、練習するための音源とのど飴をプレゼントでくださって、とても嬉しかったですし、それで結束力が高まりました。
細田監督は、アフレコの時にわざわざ傍まで来て、一つずつ丁寧にセリフを教えて下さって、あたたかさを感じましたし、これは頑張らないと! という気持ちで挑みました。
ベルの歌を最初に聴いた時には「誰だろう?」とびっくりしましたし、鳥肌が立ちました。お会いしてお話した時の声も、とても魅力的で、ぴったりだなと思いました。スター誕生の瞬間に立ち会えたような、そんな衝撃を受けました。

中尾幸世(畑中さん役)

皆さん素晴らしい歌唱力、表現力を持っているプロ中のプロの方々ばかりなので、私は大輪のバラの中に年代不詳の松が入ったような感じで……(笑)皆さんから静かな力をもらいながら、歌う喜びをとても強く感じさせて頂きました。
今回2曲歌わせて頂いて、その内の1曲は、映画の重要なシーンで、最終的には世界中の皆さんとの合唱になると聞いて、本当に素晴らしいなと、最後の最後に感動がこみ上げてきました。
細田監督は、1シーンが終わるごとに、そのシーンを演じた一人一人に、よかったところや、ここはもっとこうしてほしいというニュアンスを伝えてくれるのですが、ただ単に要求を伝えるだけでなく、一人一人に必ずなにか演出の痕跡を残していかれて、本当に懐が深くて、感動しました。

■公開情報
『竜とそばかすの姫』
7月16日(金)全国東宝系にて公開
監督・脚本・原作:細田守
企画・制作:スタジオ地図
声の出演:成田凌、染谷将太、玉城ティナ、幾田りら、森川智之、津田健次郎、小山茉美、宮野真守ほか
製作幹事:スタジオ地図有限責任事業組合(LLP)・日本テレビ放送網共同幹事
配給:東宝
(c)2021 スタジオ地図
公式サイト:https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/
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