『ヲタクに恋は難しい』原作をどうアレンジ? 山崎賢人×高畑充希らの歌唱シーンに注目
高畑充希と山崎賢人がW主演を務めた映画『ヲタクに恋は難しい』が2月13日にフジテレビ系・土曜プレミアムにて本編ノーカットで放送される。
2014年にイラスト投稿サイトpixivで連載が始まり、昨年発売された9巻をもって電子書籍含めシリーズ累計発行部数1000万部を突破。2018年にはテレビアニメ化も果たすなど、絶大な人気を誇るふじたによる同名コミック、通称「ヲタ恋」を原作とした本作は、アニメや漫画をこよなく愛する隠れ腐女子の桃瀬成海(高畑充希)と、彼女の幼なじみである重度のゲームヲタク・二藤宏嵩(山崎賢人)の不器用な恋を描いたラブコメディ。これまで『銀魂』や『今日から俺は!!』シリーズを手がけてきた福田雄一監督ならではのギャグ要素や、原作にはないミュージカルシーンもふんだんに盛り込まれた実写映画だ。
結論から言えば、ふじたが「私はこの『実写ヲタ恋』は福田監督により新しい層に届けるためアレンジされた新しい世界線の『ヲタクに恋は難しい』なのだと思っています」(公式サイトより)と語っているように、映画は原作と違った形でストーリーが展開していく。会社で付き合っていた彼氏に腐女子だということがバレて振られた成海が転職先で再会した幼なじみの宏嵩と再会し、彼の提案で2人が交際を始めるという導入部分は共通しているが、その他はかなりアレンジが加えられている。
例えば成海・宏嵩と、映画で菜々緒演じる小柳花子や斎藤工演じる樺倉太郎の関係性。花子と太郎は成海と宏嵩の先輩であり、ヲタク仲間という立ち位置で原作にはメインキャラクターとして常に登場している。だが、実写化された2人は原作から設定を引き継いでいる部分もあれど、ヲタク仲間というより、むしろ成海と宏嵩の恋にスパイスを加えるある種のライバルキャラ(?)として描かれているのだ。本来2人が果たすべき役割は、ところどころ映画のオリジナルキャラである坂元真司(賀来賢人)と森田悠季(今田美桜)が担当している。
しかしながら、この変更によって共通の趣味を持ち、楽しい交際を送れるはずの成海と宏嵩がすれ違ってしまう“恋の難しさ”が強調されているといえるだろう。同じくヲタクカップルである花子・太郎とのグループ交際のような形で、2人の恋がゆっくり動いていく原作も魅力的だが、スピード感のある映画はヲタクではない人もラブストーリーとして楽しめる作品に仕上がっている。