玉森裕太が倍増させる『ボス恋』潤之介の魅力 “王道ラブコメ”をナチュラルな芝居で操る
最近は『恋つづ』や『この恋あたためますか』(TBS系)など、ツンデレ男子にときめく機会が多かったが、やはり母性本能をくすぐる子犬系男子の破壊力たるや。免疫不足も相俟って、ドキドキは最高潮である。
だが、しかし。奈未が、自分に恋人代理に頼んだ理由について訊ねると「実際に付き合わないから? 恋に発展しそうな子にこんなことお願いできないでしょ」とあっけらかん。乙女心がお見通しなのかと思いきや、まるでわかっていない潤之介。やはり、一筋縄ではいかないらしい。
ところが、最後の最後で再び大どんでん返し。撮影用の小道具を運ぶ奈未の前に現れ、「会いたかったんだ、奈未ちゃんに」と、またもやストレートの甘い言葉を。そして、撮影現場へ向かおうとする奈未を引き留め、「俺のこと、好き?」とまっすぐに見つめる、まぁるい瞳。そこで流れる「愛してる そんな言葉だけで表せないほどに~」と主題歌の「Luv Bias」。完璧すぎる演出に、「こりゃ参った」と白旗をあげるしかない。
奈未との恋の行方はもちろん、母親に話した「いずれ会社は継ぐ」という言葉や、寝室に飾られていた幼なじみ(倉科カナ)との関係も気になるところ。また放送前のインタビューで、玉森は「『本当に天然で言っているのかな?』とか『ちゃんと考えた上で何かしてるのかな?』とか、いろいろ考えてもらえるといいな」と語っており(参考:上白石萌音×菜々緒×玉森裕太が語り合う“理想の上司像” 「怒ってくれる人って貴重」)、奈未も我々視聴者も、まだまだ潤之介に振り回されることになりそうだ。
実は、映像を観る前に『ボス恋』第1話の台本を読ませていただいたのだが、放送初日、テレビ画面に現れたのは、想像の何倍も素敵な子犬系男子だった。
2017年放送の『リバース』(TBS系)で演じたクールな教師役で役者としての評価を高めた玉森は、『グランメゾン東京』(TBS系)で、過去の過ちと現在の地位やプライドとの狭間で揺れ動く若きシェフの心情を繊細に表現。着実に力を付けてきたこのタイミングで、久々の王道ラブコメ出演となった。
扮する潤之介は、年下男子の可愛らしさと、年上男子の頼れる一面を兼ね備えたような、掴みどころがない役どころ。あどけなさと色っぽさの両方を秘め、なおかつナチュラルな芝居が肝となるキャラクターだけに、今の玉森だからこそ魅力を倍増させることができた、まさにハマり役といえるだろう。
スピーディーなストーリー展開と共に、視聴者の胸キュンメーターは上がったり下がったりのジェットコースター。それを操る玉森の手腕を、今夜も存分に楽しみたい。
■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。小学生男児2人の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter
■放送情報
火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:上白石萌音、菜々緒、玉森裕太、間宮祥太朗、久保田紗友、亜生(ミキ)、秋山ゆずき、太田夢莉、高橋メアリージュン、なだぎ武、高橋ひとみ、倉科カナ、ユースケ・サンタマリア
脚本:田辺茂範
演出:田中健太、石井康晴、山本剛義
プロデューサー:松本明子
編成:宮崎真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS