『危険なビーナス』明人を監禁しているのは誰? メールから犯人の正体を考察

『危険なビーナス』明人を監禁しているのは誰? メールから犯人の正体を考察

 研究記録を欲しがっていて、伯朗と明人に面識のある人物というと、矢神家では、拘束されている百合華以外のほぼ全員が該当する。祥子(安蘭けい)と牧雄(池内万作)の姉弟コンビ、波恵(戸田恵子)、佐代(麻生祐未)と勇磨の親子には相続を主張する権利がある。もう少し範囲を広げると、兼岩憲三(小日向文世)と順子(坂井真紀)夫婦も入ってくるが、動機が欠けている。

 もう一つヒントになるのが、百合華を監禁したらしい人間から楓がメールを受け取っていたことだ。メールの送信元は「jhskro.m@jmail.cam」で、これは前述の2つのアドレスと異なる。明人と百合華が同じ場所に監禁されていることから、監禁犯の仲間と考えていいだろう。なぜ楓は、明人を監禁した人物とつながっているのか? 答えは1つしかない。それは楓が明人を拘束したという事実だ。

 もしそれが本当なら、明人を探すという楓の目的はフェイクであり、楓は研究記録を手に入れるために伯朗をだましていたことになる。どのシナリオも決定的なピースが欠けているが、その中で確実に言えることは、こちらが思っていた以上に、楓が当初から多くのことをつかんでいたことだ。

 恒例となった伯朗の妄想パート。前回「起きるはずがないとは限らない」がついに現実となり、伯朗は元美を抱きしめた。それで終わらず、第9話では、伯朗と元美が互いを意識する場面も。当初、本筋とは無関係な挿入シーンと思っていたが、実はこっちが本筋かもしれない。その考えがあながち間違いとは言いきれないのが本作であり、ここまで来れば何が起きても不思議ではない。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
日曜劇場『危険なビーナス』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:妻夫木聡、吉高由里子、ディーン・フジオカ、染谷将太、中村アン、堀田真由、結木滉星、福田麻貴(3時のヒロイン)、R-指定(Creepy Nuts)、麻生祐未、坂井真紀、安蘭けい、田口浩正、池内万作、栗原英雄、斉藤由貴、戸田恵子、小日向文世
原作:東野圭吾『危険なビーナス』(講談社文庫)
脚本:黒岩勉
プロデューサー:橋本芙美(共同テレビ)、高丸雅隆(共同テレビ)、久松大地(共同テレビ)
演出:佐藤祐市、河野圭太
製作:共同テレビ、TBS
(c)TBS

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