吉岡里帆が語る、自身のキャリアと今後の展望 「“強い大人像”を出せるようになりたい」

吉岡里帆が語る、自身のキャリアと今後の展望

「これからはもう少し“強い大人像”を出せるようになりたい」

ーー吉岡さんご自身はたすくみたいな男性をどう思いますか?

吉岡:まさに“大人になりきれない大人”だなと思います。最初に台本を読んだとき、たすくが犯したたった一度のミスに対して、「周りの人たちはこんなに厳しいのか!」って思ったんです。妻であることねはもちろん、地元の人たちや親戚のみんなが、ここまでたすくを追い込むのかと、ちょっと気の毒になっちゃうぐらいで(笑)。でもそれは、映画では描かれていないたすくの過去の積み重ねがきっとあるわけで、そういう扱いをされる存在になってしまったんだなと。でも、そういう“青臭さ”は私自身は嫌いになれないですし、たすくの魅力でもあるのかなと思いました。

ーーちなみに吉岡さんはたすくのように“取り返しのつかないようなミス”をした経験はありますか?

吉岡:なんだろう……でも、たすくみたいな重いのはないですね(笑)。後悔というか、「あのときもしこうしていたら……」と考えることがあるのは、学生時代のことで。私は芸能のお仕事を本格的にやる前は、書道に携わる仕事に就きたいなと思っていたんです。大学の頃は書道部に所属していて、年に何回か展覧会に作品を出品したりもしていたんですけど、当時は大学と芸能のお仕事を並行してやっていたので、展覧会に出品できなかった時期も何回かあって。その後何年か経ってから、書道部のみんなが作品を出品していた展覧会の作品集を友達がくれたんです。それを見たときに、「私はやりきれなかったな」と思ったんですよね。みんなの作品の完成度がすごく高くて、「私はここまでの作品を残せなかったのか……」と。

――人生の選択の場面で、そっちの道もあったかもしれないと。

吉岡:そうですね。どちらかを選択しないといけないタイミングだったので、仕方ないことではあるんですけど、そういうことをしみじみと感じる時期もありました。

ーー実際に選んだ役者としての道は着実に歩まれている印象です。

吉岡:自分の仕事だったり、人生のことを10年単位で考えるんです。まだデビューして10年も経っていませんが、いわゆる下積み時代から、「こういう仕事をしてみたい」とか「こういう作品に携わってみたい」と思っていたことが、いまの7年目でやっと形になってきているというか、植えた種が芽を出し始めているのを実感してうれしく思います。

ーーデビューしてまだ10年経っていないとは思えないような活躍ぶりですよね。

吉岡:いえいえ。本当に1個1個だなと思います。長い目で見て、ちょっとずつちょっとずつと思っているタイプなので(笑)。

ーーそういう意味では今回の『泣く子はいねぇが』は形になってきた作品の一つということですよね。

吉岡:『泣く子はいねぇが』はまさにそうで、同年代の俳優、同年代の監督と一緒に、海外の映画祭に出品できる力のある、日本の文化を伝えられるような映画に出たいなと、5年くらい前からずっと思っていたので、私にとっても念願の作品になりました。2020年は本当に念願が形になっていくことを実感している年で。今回の映画のテーマも“大人になりきれない大人”ですけど、私自身もいまが分岐点というか、青春の時期を過ぎて、大人になっていく絶妙な年齢で、この年代にしかやれない役って山ほどあるなと思うんです。これまでは弱い役やかわいらしい女性像など、いろいろやらせていただきましたが、これからはもう少し“強い大人像”を出せるようになりたいです。学園ものはもうやれないかもしれないけれど、今回のような母親像にもマッチできる年齢だと思うので、30歳に向けていろいろな作品に携われたらと思います。あと、デビュー前から舞台をやりたい気持ちが強かったんですが、今年から力を入れてやらせていただいていて。舞台は精神面を含め自分自身も強くなるので、そこで培ったものをいろんな役に投影できたらいいなと思っています。

■公開情報
『泣く子はいねぇが』
全国公開中
監督・脚本・編集:佐藤快磨
出演:仲野太賀、吉岡里帆、寛一郎、山中崇、余貴美子、柳葉敏郎
企画:是枝裕和
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ
制作プロダクション:AOI Pro.
製作幹事:バンダイナムコアーツ
(c)2020「泣く子はいねぇが」製作委員会

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<応募締切>
12月6日(日)

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