井浦新「こんなふうに映画作りができたら本当に幸せ」 河瀬直美監督の“演出”を語る

井浦新、河瀬組の独自性を語る

「生きていく喜びを少しでも感じていただけたら」

ーー本作は佐都子と清和のパート、蒔田彩珠さん演じる片倉ひかりのパートと二部構成のような形になっています。中学生のひかりが妊娠、出産を経験し、栗原家にやってくるまでの人生が描かれていきます。

井浦:ひかりが栗原家にどんな気持ちで訪れたのかを清和として僕自身も映像を観て初めて知る形だったので、こんなふうに生きてきたのかと率直な驚きがありました。実は栗原家とひかりのパートも時系列順に撮影されているんです。ひかりのパートの撮影が行われているときも、僕たちはオフというわけではなく、カメラがまわっていないというだけで、家族3人でご飯を食べたり、役として生きていたんです。劇中では描かれていませんが、朝斗がやってくる前には2人でベビー服を実際に買い行ってもいました。

ーー本当に役として生きていたんですね。

井浦:劇中では描かれていないですが、こういった時間があったからこそ、各シーンの説得力も際立つものにできたのかと思います。

ーー撮影も当初の公開予定日もかなり前ではありましたが、こうしてコロナ禍を経て公開されることに何か思いはありますか?

井浦:お話をいただいて台本を読んだとき、決して特別な人の物語ではなく、誰にとっても普遍的な物語だと感じました。でも、コロナ禍を経て、より一層、本作のメッセージは大きなものになったと感じています。社会全体が疲弊してしまい、現実的に生活がままならなくなってしまった方たちもいる今の世の中ですが、命の誕生の喜び、生きていく喜びを本作を通して少しでも感じていただけたら幸いです。映画は時代を映すメディアではありますが、こうしてコロナ禍の真っ只中に本作のような作品を生み出す河瀬監督に、どこか“巫女さん”のようなものを感じずにはいられません。このような時期だからこそ、普遍的な家族の物語、命の物語が、より皆さんの心に伝わっていただけるんじゃないかなと思います。多くの方の心に希望の光が差し込むきっかけになってくれたらと願っています。

※河瀬直美の「瀬」は旧字体が正式表記

■公開情報
『朝が来る』
全国公開中
出演:永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、中島ひろ子、平原テツ、駒井蓮、田中偉登、佐藤令旺、山下リオ、森田想、堀内正美、山本浩司、三浦誠己、池津祥子、若葉竜也、青木崇高、利重剛
監督・脚本:河瀬直美
共同脚本:高橋泉
原作:辻村深月『朝が来る』(文春文庫)
制作・配給:キノフィルムズ(木下グループ)
(c)『朝が来る』Film Partners
公式サイト:asagakuru-movie.jp

 

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<応募締切>
11月12日(木)

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