『カネ恋』プロデューサーに聞く、TBS火曜ドラマが目指すもの 「元気が出るドラマを届けたい」

『カネ恋』なぜ“お金”ד恋”がテーマ?

火曜の夜に明るく元気になれるドラマを


――前クールの『私の家政夫ナギサさん』も大好評でしたし、火曜ドラマ枠を制作される上で、共通して意識されているものというのはあるのでしょうか?

東仲:やっぱり女性が活躍している時代ですし、明るく楽しくなれるっていうのは、火曜ドラマとしては目指すべきところという認識はありますね。曜日の感覚としても、月曜に仕事して、火曜ってちょうど疲れが出るタイミングだと思うので、そのときに、「観てよかった」って元気が出るドラマを届けたいというのは、共通した思いです。今回ラブコメにしたのも、人生にはいろいろなスパイスがありますけれど、やっぱり恋愛って特別なものだと思うので、そういう恋愛のワクワクをちゃんと描きたいなと思っています。

――火曜ドラマだけではなく、この夏はTBS全体が盛り上がっていましたが、「ドラマのTBS」として大事にされているものは?

東仲:教えてもらったものというか、心血注いでドラマを作っていた諸先輩方の背中を見て、学ばせてもらったことを大事にしながらやっているという感じです。登場人物の心情を丁寧に描くということをとことん教え込まれました。「こういうことがあったら、こういうふうに思うはずだよね」と、気持ちのリアリティみたいなものは常に気をつけて作っているつもりです。

――リアルな心情を描くために、取材なども?

東仲:そうですね、今回は本を作っていくなかで、大島さんと平野監督と僕とでキャラクターの色分けというか、「こういう人だよね」と固めていく段階で、それぞれが聞いてきた話を持ち寄って、共感できるところをどんどん当てはめていきました。

――どんなお話が出てきましたか?

東仲:例えば、一緒に出かけたとき割り勘って言い出していいものかどうか、とか。自分の名義で貯めたポイントを恋人のために使えるか、とか。恋愛の相手がお財布の紐が固いと「ケチ」なんですけど、結婚相手としたら「倹約家」になるから不思議ですよね(笑)。なかでも興味深かったのは、彼氏と3年付き合って今年で29歳の女性が、「これだけ投資したんだから、絶対結婚しないといけない」という話。ダメなヤツだったら結婚なんてしないで別れたほうがいいじゃん、って男性の僕なんかは思っちゃうんですが、女性からすると「お金も、貴重な20代の時間も費やしたんだから、もう先がないし」「わかる、わかる」と盛り上がってましたね。

――なんてリアルなエピソード(笑)。

東仲:やっぱり恋愛中ってお金の話をしにくいものだと思うんです。付き合ったばかりのタイミングで「給料いくら? 貯金ある?」なんてお金の話を持ち出すと、急に現実を突きつけられた感じがして、恋が冷めがち。でも、もう少しお金と楽しい付き合い方みたいなのができたらいいなと思うんです。例えば、コンビニのお菓子で「これが200円は高いから買わない」みたいな。本当にその値段の価値があるかどうかを気軽に恋人と話せるようになったらいいなと思います。

――それでは、最後に視聴者へひと言お願い致します。

東仲:これまで築いてきた全く違う価値観を持つ男女がお互いに影響されて、人間として成長していく姿を、そして正反対の2人だからこそ生まれるキュンを、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。

■放送情報
火曜ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』
TBS系にて、9月15日(火)スタート 毎週火曜22:00~ 22:57放送
※初回15分拡大
出演:松岡茉優、三浦春馬、三浦翔平、北村匠海、星蘭ひとみ(宝塚歌劇団)、大友花恋、稲田直樹(アインシュタイン)、中村里帆、八木優、河井ゆずる(アインシュタイン)、キムラ緑子、ファーストサマーウイカ、池田成志、南果歩、草刈正雄
ゲスト出演:梶裕貴、岡本莉音、トミー(水溜りボンド)、登坂淳一
脚本:大島里美
演出:平野俊一、木村ひさし
プロデュース:東仲恵吾
主題歌:Mr.Children「turn over?」(トイズファクトリー)
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/KANEKOI_tbs/
公式Twitter:https://twitter.com/kanekoi_tbs

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