『すばらしき世界』特報映像公開 トロント映画祭には西川美和監督と役所広司がリモートで参加

『すばらしき世界』特報映像公開 トロント映画祭には西川美和監督と役所広司がリモートで参加

 2021年2月11日に全国ロードショーされる西川美和監督最新作『すばらしき世界』の特報映像が公開された。

 本作は、『復讐するは我にあり』(文春文庫)で直木賞を受賞した佐木隆三の小説『身分帳』(講談社文庫)を原案とした西川監督の最新作。これまで一貫してオリジナルにこだわり続けた西川監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、その舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑む。

 「今度こそ、まっとうに生きる!」と13年の刑期を終えた三上(役所広司)を待っていたのは、目まぐるしく変化する、想像もつかない世界だった。三上に近づき、彼の姿を面白おかしく番組にしようする2人の若手テレビマン。まっすぐ過ぎるが故にトラブルばかりの元殺人犯が、いつしか彼らの人生を変えてしまう。

 三上が自らテレビ局へ送った、刑務所内の個人台帳である『身分帳』を手にするテレビディレクターを仲野太賀、三上が更生していく様子をテレビ番組にしようと獲物を狙うように近づくテレビプロデューサーを長澤まさみが演じる。そのほか、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、安田成美らが共演に名を連ねた。

映画『すばらしき世界』特報映像

 公開された特報映像では、冒頭、テレビマン津乃田(仲野太賀)とTVプロデューサー吉澤(長澤まさみ)の、「相手にしない方がいいんじゃないですか? 放送に耐えられる対象じゃないっすよ」「そこが面白いんじゃん」という会話で始まる。津乃田が持つカメラが向けられるその先にいるのは、優しくて真っ直ぐすぎる性格の男・三上(役所広司)。しかし、実はこの男、人生の大半を刑務所で過ごした元殺人犯だった。

 また、米アカデミー賞前哨戦となる第45回トロント国際映画祭正式出品作品に本作が選出され、現地時間9月10日にワールドプレミア上映が行われた。

 新型コロナウイルス感染拡大影響により世界中の映画祭が規模縮小を余儀なくされ、トロント国際映画祭においては例年の4分の1程度に絞られる中での非常に狭き門を見事突破し、正式出品作品として選出された本作。上映作品は、コロナ禍の試みとして、ソーシャルディスタンスを守った劇場 、ドライブインシアター、野外やインターネット上で披露され、レッドカーペットや記者会見はバーチャルで行われている。

 ワールドプレミアには、主演の役所と西川監督が日本からリモート参加。プログラミングディレクターのジョバンナ・フルピは、本作を「脚本が非常によく練 られストーリーが感動的 。見事に質感がありリアルに感じられる。役所は、役の解釈がとても素晴 らしくニュアンスと個性が豊かでカリスマ性を感じる」と絶賛している。

リモートプレミア コメント

ストーリーのどんなところに惹きつけられたか

西川監督:前作 『永い言い訳』の撮影中に佐木隆三さんが亡くなられたと新聞を見て知りました。その記事の中で、佐木さんをよく知る作家の方が、佐木さんの真骨頂は非常に有名な『復讐するは我にあり』よりも『身分帳』ではないか、と書かれていたんです。それがきっかけでこの原作を手に取りました。そこで描かれていたのは、犯罪者が刑務所を出た後になんでもない日常を取り戻すために、こつこつと生きる地味な話だった(笑)。
これは、自分で探しても見つけられるテーマではないと思い、映画化してみたいと強く思いました。たくさんのエピソードが詰め込まれている小説を2時間の映画にどう集約するかということが、オリジナルで映画を作ってきた私にとっては、とても手こずった部分でしたが、2、3年かけて取捨選択して書き上げました。

三上役はどのようにキャスティングしたのか

西川監督:17歳の時に、役所さんが連続殺人鬼の役をやられたテレビドラマを観ていたくショックを受け、それがきっかけでものを書く仕事につきたいと思うようになりました。映画監督をやることになり、いつか役所さんを主役に映画を撮れないかと考えてきました。本作の三上 という男は非常に面白い役なので、憧れの役所さんに一念発起してオファーをしたところ、「前向きに考えます」とお返事をいただき、それが自信となって脚本を書き進めることができました。

この役にはどのような準備をしたか

役所:原案である小説『身分帳』と西川監督が書いた脚本 を比べて読みながら、小説はもちろんト書きが多いのでその部分は脚本と照らし合わせて、三上という男を探し求めていました。しかしこの男がなかなか掴めなかった。撮影が始まってから、ワンシーン撮ったものがまた次のシーンのヒントになり、少しずつ三上という男に近づいていく感じがありました。あとは、ミシンの練習を一生懸命やりました(笑)。また監督と一緒に旭川刑務所を見学できたことは非常によい経験になりました。

■公開情報
『すばらしき世界』
2021年2月11日(木・祝)
出演:役所広司、仲野太賀、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、長澤まさみ、安田成美
原案:佐木隆三著『身分帳』(講談社文庫刊)
脚本・監督:西川美和
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

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