『凪のお暇』から学べる自粛生活下の新たな生活 大切なのは“視点の転換”!?

『凪のお暇』から学べる自粛生活下の新たな生活 大切なのは“視点の転換”!?

 “しばし、お暇いただきます”

 ヒロイン・凪を演じる黒木華の、柔らかくて涼やかな声が私たちの耳をとらえるーー。そう、昨年の夏クールに放送され好評を博したドラマ『凪のお暇』(TBS系)が、現在一挙再放送中なのだ。これによって豆苗の“買い占め”などが起こっていないか、非常に心配である。

 さて、本作といえば、ヒロイン・凪がタイプの異なる男性に翻弄される物語でもあるが、それは複数あるストーリーラインのひとつに過ぎない。大都会での社会生活に疲弊した彼女が「お暇(お休み)期間」に入ることで、“新たなものの見方”や、日常を楽しむための“生活の知恵と工夫”を獲得し、実践していく姿が描かれてもいる作品だ。

 彼女の手にかかれば、廃棄されていた家電製品は“凪流アレンジ”によってたちまち新たな生命を宿し、食べ飽きてしまったものも工夫しだいで別の料理へと生まれ変わったりもする。一般的に“不要”とされているものを自分流にアレンジしてしまう彼女の思い切りの良さは、清々しくて新鮮だ。時間に追われ、仕事に追われ、人付き合いに疲れていた彼女が、“天井が高い”青空の下で寝転ぶ姿には胸のすく思いがする。本作は凪が、あるがままの自分を受け入れ、それに近づいていく物語でもあるのだ。

 テレワークが多くを占めている東京では、昼間に散歩に出かけてみると、ふだんは閑散としている公園がにぎわっていたりもする。その多くは家族連れで、どうやらみな、青空を求めてやってきているようだ。その中には、年がら年中、時間に追われ、仕事に追われている人もいるのかもしれない。いまはそんな社会から、ある種の解放をされているように見える。だがしかし、コミュニティごとにマスクを着用し、ほかのコミュニティとのソーシャルディスタンスを保とうと心がけている様子を傍から見ていると、最低限のルールやマナーを守り、社会というものを維持しようとしているようにも思える。現在の自粛期間で、かえってストレスフリーになっている方も多くいると耳にするが、これらがそれを物語っているのだろう。公園は平和なのである。

 とはいえ、あらゆる面で生活が制限され、誰もが不自由を感じざるを得ないこの環境下。自己実現というものの達成は、今後ごく限られた人々の特権的なものになりそうな気がしている。誰もが生活を維持していくので精一杯なのだ。そんなご時世だが、私たちも凪のように現在のこの「お暇(自粛期間/おうち時間)」を利用して、生活を変えてみるというのはどうだろう? そこには思いがけない発見や、新たな自分との出会いがあるかもしれない。

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