独立系配給会社別の見放題配信パックスタートへ ジャン=リュック・ゴダールやホン・サンス作品も

独立系配給会社別の見放題配信パックスタートへ ジャン=リュック・ゴダールやホン・サンス作品も

 日本の独立系配給会社が、新型コロナウイルス感染症による難局を乗り越えるため「Help! The 映画配給会社プロジェクト」を立ち上げ、緊急アクションとして「配給会社別見放題配信パック」をスタートすることを発表した。

 「Help! The 映画配給会社プロジェクト」は、将来的には独立系配給会社団体として、諸課題の改善や情報共有に取り組むことを目的とした独立系配給会社による団体。今回は、現在の非常事態を乗り切る「配給会社別 見放題配信パック」を緊急アクションとして実施。5月11日時点で、彩プロ、アンプラグド、エスパース・サロウ、オンリー・ハーツ、クレストインターナショナル、ザジフィルムズ、サンリス、シンカ、セテラ・インターナショナル、ハーク、マジックアワー、ミモザフィルムズ、ムヴィオラ、キノローグ、サニーフィルム、チャイルド・フィルム、ドマ、ノンデライコ、パンドラ、ユナイテッドピープルの全20社が参画している。

 「配給会社別見放題配信パック」は、アップリンク・クラウドを配信サービスとして、各配給会社が自社の過去作品をパックにして配信する。第1弾には、クレストインターナショナル、ザジフィルムズ、セテラ・インターナショナル、ミモザフィルムズ、ムヴィオラの5社によるラインナップが発表された。

 クレストインターナショナルの見放題配信パックにはジャン・ルノワール監督の『ピクニック』やホン・サンス監督の『それから』など12作品、ザジフィルムズの見放題配信パックには、ジャン=リュック・ゴダール監督の『女は女である』やイングマル・ベルイマン監督の『仮面/ペルソナ』、セテラ・インターナショナルの見放題配信パックにはアレクサンドル・ソクーロフ監督の『ファウスト』やルネ・クレール監督の『巴里祭 4K デジタル・リマスター版』、ミモザフィルムズの見放題配信パックにはミア・ハンセン=ラヴ監督の『EDEN/エデン』やファビオ・グラッサドニア監督&アントニオ・ピアッツァ監督の『シシリアン・ゴースト・ストーリー』、ムヴィオラの見放題配信パックにはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『世紀の光』やツァイ・ミンリャン監督の『郊遊<ピクニック>』などがラインナップされている。

世界の映画人からの応援動画メッセージ@Help! The 映画配給会社 プロジェクト

 また本プロジェクトの発足に伴い、アルノー・デプレシャン、アピチャッポン・ウィーラセタクン、ワン・ビン、マチュー・アマルリック、ツァイ・ミンリャン、ワン・ビン、クリストファー・ドイル、瀬々敬久ら、全38名の世界の映画人からの応援メッセージ動画も公開された。

Arrow
Arrow
左上から時計回りに - クリストファー・ドイル監督、ギヨーム・ガリエンヌ監督、 シャリファ・アマニ監督、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督、リティ・パン監督、ジュルジュ・ガショ監督、イザベル・コイシェ監督、アルノー・デプレシャン監督、LiLiCo
ArrowArrow
Slider
Arrow
Arrow
『未来よ こんにちは』 - (c)2016 CG Cinema · Arte France Cinema · DetailFilm · Rhone-Alpes Cinema
ArrowArrow
Slider

ステートメント

新型コロナウイルスの影響で、日本全国の人々、そして事業者の誰もがかつてない難局を迎えています。それは映画業界も同様です。13の特定警戒都道府県では映画館の休館がさらに続き、緩和容認や解除となった 34県でも休館を続けざるを得ない映画館があり、再開できても以前のような集客は不可能で、やがてくる「第二波」「第三波」も想定すると、映画界にとって「コロナの時代」は長くなると覚悟せざるを得ません。
このような状況の中で、小規模映画館<ミニシアター>を守るための「ミニシアター・エイド基金」や、日本映像職能連合(映職連)の政府への補償要望書の提出など、数々のアクションが始められましたが、私たち、独立系配給会社も、この難局を乗り越えるために何をすべきか模索してきました。

配給会社は、映画館や監督・俳優たちと違って、直接的に観客と触れ合うことの少ない、黒子の存在です。洋画の場合で言えば、まず映画を発見し、買い付けをし、日本全国の映画館に上映を依頼し、宣伝し、映画を公開し、DVD・VOD・テレビでも映画を見てもらえるように活動します。そして、大手配給会社と比べると、独立系配給会社は収益の多くを映画館収入から得ており、その映画館の多くは、小さくとも存在感のある全国のミニシアターです。また、アメリカ映画や邦画だけでなく世界中のさまざまな地域の映画を紹介している点も独立系の特色です。収益から製作者にお金を戻すことで、世界中の製作者の次の映画への一助ともなってきました。

映画館に観客が行けない今、独立系配給会社にはほとんど収入がありません。しかし、私たちがここで倒れては、ミニシアターに映画を届けることができなくなり、世界の映画人が日本の観客に映画を見てもらう機会が失われてしまいます。そして小さな会社といえど、私たちにも大切なスタッフがいて、字幕翻訳者、グラフィックデザイナー、予告編制作者、web デザイナー、パブリシスト、通訳など多くの仕事仲間がいるのです。もちろん、国や自治体の補償を訴えることも大切ですが、待っていては倒産する配給会社も出るでしょう。私たち自身の足で立って、歩かなければなりません。

私たちの財産は、映画しかありません。世界の多様な映画です。配信で、そうした多様な映画を見てもらうことで観客の力を借り、この難局を乗り越えたいと思うのです。配信は過去作に限り、あくまで新作は映画館で公開してミニシアター映画館の収益を確保しながら、過去作の配信によって少しでも経営を安定させ、映画館や仕事仲間達と築いてきたこの事業の継続を目指したいと考えています。
そしてこのプロジェクトによって、今まで見えにくかった「映画配給」という仕事を一般の方々にも知っていただき、各配給会社の個性も感じていただきながら、いま、世界中の国々が物理的な鎖国状況にある中で、映画で世界とつながることの価値を感じていただけたらと願っています。

2020年5月
「Help! The 映画配給会社プロジェクト」発起人:キノローグ、クレストインターナショナル、ザジフィルムズ、サニーフィルム、セテラ・インターナショナル、チャイルド・フィルム、ミモザフィルムズ、ムヴィオラ

「配給会社別 見放題配信パック」第一弾配信作品リスト

クレストインターナショナル見放題配信パック 3カ月2,480円(税込)

1『ピクニック』ジャン・ルノワール監督
2『愛して飲んで歌って』アラン・レネ監督
3『アンジェリカの微笑み』マノエル・ド・オリヴェイラ監督
4『未来よ こんにちは』ミア・ハンセン=ラブ監督
5『めぐりあう日』ウニー・ルコント監督
6『いとしきエブリデイ』マイケル・ウィンターボトム監督
7 『イタリアは呼んでいる』マイケル・ウィンターボトム監督
8『嘆きのピエタ』キム・ギドク監督
9『それから』ホン・サンス監督
10『夜の浜辺でひとり』ホン・サンス監督
11『正しい日 間違えた日』ホン・サンス監督
12『クレアのカメラ』ホン・サンス監督
配信URL:https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2409/

ザジフィルムズ見放題配信パック 3カ月2,980円(税込)

1『女は女である』ジャン=リュック・ゴダール監督
2『女と男のいる舗道』ジャン=リュック・ゴダール監督
3『ゴダールのマリア』ジャン=リュック・ゴダール監督
4『5時から7時までのクレオ』アニエス・ヴァルダ監督
5『幸福』アニエス・ヴァルダ監督
6『ジャック・ドゥミの少年期』アニエス・ヴァルダ監督
7『ローラ』ジャック・ドゥミ監督
8『天使の入江』ジャック・ドゥミ監督
9『不滅の女』アラン・ロブ=グリエ監督
10『ヨーロッパ横断特急』アラン・ロブ=グリエ監督
11『嘘をつく男』アラン・ロブ=グリエ監督
12『エデン、その後』アラン・ロブ=グリエ監督
13『快楽の漸進的横滑り』アラン・ロブ=グリエ監督
14『囚われの美女』アラン・ロブ=グリエ監督
15『魔術師』イングマル・ベルイマン監督
16『仮面/ペルソナ』イングマル・ベルイマン監督
17『叫びとささやき』イングマル・ベルイマン監督
18『夏の嵐』ルキノ・ヴィスコンティ監督
19『家族の肖像』ルキノ・ヴィスコンティ監督
20『ロゴパグ』パゾリーニ/ゴダール/ロッセリーニほか
21『豚小屋』ピエル・パオロ・パゾリー二監督
22『フレンチ・カンカン』ジャン・ルノワール監督
23『ミステリアス・ピカソ/天才の秘密』アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督
24『モンパルナスの灯』ジャック・ベッケル監督
25『聖なる酔っぱらいの伝説』エルマンノ・オルミ監督
26『ボイス・オブ・ムーン』フェデリコ・フェリーニ監督
27『ファスビンダーのケレル』ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督
28『アリス』ヤン・シュヴァンクマイエル監督
29『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』ラッセ・ハルストレム監督
30『最初の人間』ジャンニ・アメリオ監督
配信URL:https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2410/

セテラ・インターナショナル見放題配信パック 3カ月 2,480円(税込)

1『あの頃エッフェル塔の下で』アルノー・デプレシャン監督
2『ファウスト』アレクサンドル・ソクーロフ監督
3『コーヒーをめぐる冒険』ヤン=オーレ・ゲルスター監督
4『ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォー』エマニュエル・ローラン監督
5『不機嫌なママにメルシィ!』ギヨーム・ガリエンヌ監督
6『あしたのパスタはアルデンテ』フェルザン・オズペテク監督
7『巴里祭 4K デジタル・リマスター版』ルネ・クレール監督
8『リラの門 4K デジタル・リマスター版』ルネ・クレール監督
9『危険な関係 4K デジタル・リマスター版』ロジェ・ヴァディム監督
10『TOMORROW パーマネントライフを探して』メラニー・ロラン監督、シリル・ディオン監督
11『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』フレデリック・ワイズマン監督
12『セザンヌと過ごした時間』ダニエル・トンプソン監督
13『マーラー 君に捧げるアダージョ』パーシー・アドロン監督
14『夜ごとの美女 デジタル・リマスター版』ルネ・クレール監督
15『悪魔の美しさ デジタル・リマスター版』ルネ・クレール監督
配信URL:https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2411/

ミモザフィルムズ見放題配信パック 3カ月 2,480円(税込)

1『母の身終い』ステファヌ・ブリゼ監督
2『 大いなる沈黙へ ―グランド・シャルトルーズ修道院』フィリップ・グレーニング監督
3『ザ・トライブ』ミロスラヴ・スラボシュピツキー監督
4『EDEN/エデン』ミア・ハンセン=ラヴ監督
5『アスファルト』サミュエル・ベンシェトリ監督
6『ホームレス ニューヨークと寝た男』トーマス・ヴィルテンゾーン監督
7『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』テレンス・ディヴィス監督
8『女の一生』ステファヌ・ブリゼ監督
9『修道士は沈黙する』ロベルト・アンドー監督
10『最初で最後のキス』イヴァン・コトロネーオ監督
11『ディヴァイン・ディーバ』レアンドラ・レアル監督
12『シシリアン・ゴースト・ストーリー』ファビオ・グラッサドニア監督、アントニオ・ピアッツァ監督
配信URL:https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2412/

ムヴィオラ見放題配信パック 3カ月 2,480円(税込)

1『世紀の光』アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
2『光りの墓』アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
3『鉄西区 三部作』ワン・ビン監督
4『鳳鳴ー中国の記憶』ワン・ビン監督
5『無言歌』ワン・ビン監督
6『三姉妹ー雲南の子』ワン・ビン監督
7『収容病棟 前後編』ワン・ビン監督
8『苦い銭』ワン・ビン監督
9『郊遊<ピクニック>』ツァイ・ミンリャン監督
10『ラサへの歩き方』チャン・ヤン監督
11『草原の河』ソンタルジャ監督
12『すれ違いのダイアリーズ』ニティワット・タラトーン監督
13『祝福〜オラとニコデムの家』アンナ・ザメツカ監督
14『フォンターナ広場〜イタリアの陰謀』マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督
15『パプーシャの黒い瞳』ヨアンナ・コス&クシシュトフ・クラウゼ監督
16『オレンジと太陽』ジム・ローチ監督
17『追憶と、踊りながら』ホン・カウ監督
18『もうひとりの息子』ロレーヌ・レヴィ監督
19『ヴィオレット-ある作家の肖像-』マルタン・プロヴォ監督
20『ルイ 14世の死』アルベール・セラ監督
21『わたしは、幸福(フェリシテ)』アラン・ゴミス監督
配信URL:https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2413/

■プロジェクト概要
「Help! The 映画配給会社プロジェクト」

参加会社一覧(アイウエオ順)5月11日時点:
【配信メンバー】13社
彩プロ
アンプラグド
エスパース・サロウ
オンリー・ハーツ
クレストインターナショナル
ザジフィルムズ
サンリス
シンカ
セテラ・インターナショナル
ハーク
マジックアワー
ミモザフィルムズ
ムヴィオラ
【賛助メンバー】7社
キノローグ
サニーフィルム
チャイルド・フィルム
ドマ
ノンデライコ
パンドラ
ユナイテッドピープル

公式note:https://note.com/help_the_dsbtrs
公式Facebook:https://www.facebook.com/help.the.disributors/
公式Twitter:https://twitter.com/help_the_dsbtrs

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

音楽記事ピックアップ