『ポルトガル、夏の終わり』新場面写真公開 67歳を迎えるイザベル・ユペールの様々な姿が
4月24日公開の映画『ポルトガル、夏の終わり』より、新場面写真とメイキングカットが公開された。
本作は、『エル ELLE』で第89回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたイザベル・ユペールの主演作。アイラ・サックス監督の『人生は小説よりも奇なり』に惚れ込んだユペールは、自ら監督にラブコールを送り、それを受けた監督がユペールのために本作を書き下ろした。
ヨーロッパを代表する女優フランキーは、夏の終わりのバケーションと称し、ポルトガルの世界遺産の町シントラに一族と親友を呼び寄せる。自らの死期を悟った彼女は、亡きあとも愛する者たちが問題なく暮らしていけるよう、すべての段取りを整えようとしたのだ。しかし、それぞれに問題を抱えた家族たちの選択は、次第にフランキーの思い描いていた筋書きから大きく外れていく。
ユペールは3月16日に67歳の誕生日を迎えた。それを記念して公開された場面写真は、フランキーが町を何気なく歩く様子やふもとの何かを切なそうに見つめる場面、フランキーいわく“バカ息子”のポール(ジェレミー・レニエ)との一コマや、仕事関係で唯一の友人といえる存在であるヘアメイクアップアーティストのアイリーン(マリサ・トメイ)との久々の再会の瞬間、自分の大ファンであるという老婦人の誕生日会に飛び入り参加するシーンのメイキングカットなど、フランキーのバケーション中の様々な様子が切り取られている。
ユペールは本作で着用した衣装について「女優というフランキーの役柄が服装から伝わってほしいと思っていた。最初から登場人物は衣装によって定義され、役作りが行われていたの」とコメント。短い時間を描く物語ゆえフランキーが着る服は主に2着で、病の身でかつ旅先にはそぐわない服装だが、「2枚の衣装は、画面に映し出されたとたんに強い印象を残さなければならなかった。紫とオレンジ。映画で映えるこの2色に、私はとても惹きつけられたわ。冷たくて強くて、印象に残る色。私は、フランキーの小ぶりのスカーフと体に沿うデニムのジャケット、それにハイヒールをとても気に入った。森を歩くフランキーに脆さを与えてくれる」と語る。
サックス監督は「僕は、俳優をキャスティングするのではなく、人間をキャスティングするといつも考えている。だから、イザベルというキャラクターを女優として描くのは、とても自然なことに感じたんだ」と、当て書きにより作られたフランキーというキャラクターが女優である理由を語る。さらに、「イザベルは演じ方を見事に知っているのに、驚くほど演技くさくならない女優だ。さりげない仕草に意味を持たせる方法を熟知している」と賛辞を惜しまない。
一方のユペールは、サックス監督の演出について、「彼は私に“ポイントゼロの演技”、つまりその場の状況だけを行動で演じることを求めたの。可能な限りのシンプルさを求めていて、余分なものはすべて排除した。だから、私はただそこにいるだけ。時々、胸のなかでつぶやいてたわ。『どうか観客に、映画の中にいる私がちゃんと見えていますように!』って」と振り返る。
■公開情報
『ポルトガル、夏の終わり』
4月24日(金) より、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
出演:イザベル・ユペール、ブレンダン・グリーソン、マリサ・トメイ、ジェレミー・レニエ、パスカル・グレゴリー、ヴィネット・ロビンソン、グレッグ・キニア
監督・脚本:アイラ・サックス
配給:ギャガ
後援:ポルトガル大使館、ポルトガル政府観光局
原題:Frankie/2019/フランス・ポルトガル/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1chデジタル/100分/字幕翻訳:松岡葉子
(c)2018 SBS PRODUCTIONS / O SOM E A FURIA (c)2018 Photo Guy Ferrandis / SBS Productions
公式サイト:gaga.ne.jp/portugal