【ネタバレあり】『スター・ウォーズ』続3部作とは何だったのか 小野寺系が“失敗の理由”を解説

それでも“新たなる希望”はある

 ジョージ・ルーカスは、ディズニーに却下された、幻となった「続3部作」の構想を語っている。その内容は、「新3部作」で登場し、「フォースの神秘性が損なわれた」とファンに批判された、万物に流れるという、フォースの源たる“ミディ=クロリアン”という物質がふたたび取り沙汰され、ミクロの世界と宇宙を支配するフォースの法則を描いていくといったものだったらしい。それは、これまで以上にフォースの謎の根源へと迫る画期的なシリーズになったはずである。これこそ“創造性”、これこそが“ヴィジョン”である。

 もちろん、このような内容では、「旧3部作」の熱烈なファンは嫌うだろうし、「新3部作」のファンですら、そっぽを向くかもしれない。だが、いつでも新しいものに挑戦し、道を切り拓いていくことこそが真の“SWらしさ”だったはずではないだろうか。SW第1作であるエピソード4は、誰にも期待されず、いちから生み出されたものだったのだから。

 幸運なことに、世の中にはSWシリーズ以外の映画作品が絶えず作られ続けている。SWを生み出したルーカスや若いスタッフらと同じく、クリエイターたちが、“新しい作品”を作るために情熱を傾けている。

 「シリーズを壊した」と、多くのSWファンから怨嗟の声を浴び続けているライアン・ジョンソン監督は、新作『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』が高い評価を受けているし、本当の意味でSWの思想を傷つけてしまったJ・J・エイブラムス監督も、SW以外の作品で、優れた才能を発揮してきた監督である。彼らにとっての真のSWは、「SWサーガ」ではない。

 そして映画だけにとどまらず、SWのようなクリエイティブな魂を持った、文学、舞台、音楽、ファッション、漫画などが、世界にはたくさん散らばっているはずなのだ。そういう作品を見つけ出すことができれば、それが本当の意味での新しいSWといえるのではないだろうか。

 そう、“フォース”のように、SWは至るところに遍在する。われわれ一人ひとりのなかにも、そのかけらは存在し、未来へと受け継がれていくはずなのだ。……そう考えるしかない。

■小野寺系(k.onodera)
映画評論家。映画仙人を目指し、作品に合わせ様々な角度から深く映画を語る。やくざ映画上映館にひとり置き去りにされた幼少時代を持つ。

■公開情報
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』
全国公開中
監督・脚本:J・J・エイブラムス
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
公式サイト:https://starwars.disney.co.jp/movie/skywalker.html

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