芥川賞作家・今村夏子原作『星の子』実写映画化決定 主演は芦田愛菜、監督は大森立嗣
芦田愛菜主演映画『星の子』の製作が決定した。
芥川賞作家・今村夏子の原作を『タロウのバカ』の大森立嗣監督が初映画化する本作は、少女ちひろの成長と家族の行方を描く物語。ちひろは、大好きな父と母から愛情たっぷりに育てられた。両親は、ちひろが生まれたときの病気を奇跡的に治してしまった“あやしい宗教”を深く信じてしまっており、思春期を成長していくちひろは、生まれて初めて、両親と暮らす自分の世界を疑い始めていく……。
芦田は、『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』(2014年)以来、5年ぶりとなる実写映画主演となり、本人同様、中学3年生のちひろを演じる。
コメント
芦田愛菜
原作を読ませて頂いて、信じるという事について深く考えました。
自分の考えとは違うと思っていても、
大切な人の考えを信じてみようと思ったり……
正しいか間違っているかの判断だけでなく、
人はその人と、その周りをとりまく環境や
人の想いによって見え方が変わってしまったり……
誰かを、何かを、たとえそれが自分の大切な人でも
迷わず信じ続けることはとても難しい。そう感じました。
私が演じさせて頂くちひろは、少しずつ自分の環境に違和感を感じつつも、
悩みながら素直に物事をうけとめて
真っ直ぐに生きている女の子だと思います。
これからちひろをどんな風に演じていくか、
そしてこの映画の中で〝信じる″という事は何なのか?
ちひろと共に探していきたいと思います。
大森立嗣
『星の子』という小説を読んで思ったのは、
自分のことを置いといてでも人を思う気持ちです。
敏感で多感な14歳の少女は風に揺れながら、
飛んでいってしまいそうな小さな体で立っています。
それでも自分のことのように人を思うのです。
これなんだろう?と思ったら、優しさでした。
この映画が清涼な一陣の風のように、
皆様を優しさで包み込むようになればと思っています。
今村夏子
この小説を書いた後、私の信仰の有無について訊かれる機会が何度かありました。信仰に限ったことではありませんが、私は「信じる者」でも、「信じない者」でもありません。「信じたいのに、信じることができない者」であり、「信じていたことが、だんだん信じられなくなってくる者」です。信じる、信じない、の狭間にあるこの物語を、映画という形で味わえること、とても楽しみにしています。私が掴み損ねたかもしれない、ちひろの心の深部に映像を通じて触れられるのではないかと今から期待しています。
■公開情報
『星の子』
2020年全国公開予定
主演:芦田愛菜
監督・脚本:大森立嗣
原作:今村夏子『星の子』(朝日文庫/朝日新聞出版刊)
配給:東京テアトル、ヨアケ
(c)2020「星の子」製作委員会
公式サイト:hoshi-no-ko.jp