及川光博、『グランメゾン東京』で欠かせない存在に 人当たりの良さと父親としての強さ

『グランメゾン東京』に欠かせない及川光博

 料理をしているときの相沢は、尾花や倫子たちのように、実にいきいきとしているが、その彼の心の中にはいつだってアメリーのことがあるのだろう。相沢は日本に戻った際、必ず自分が保育園の送り迎えをするという約束を娘としていた。「最近は泣かなくなったけど、きっといろいろ我慢して頑張っているはずなんだ。約束を破るわけにはいかないよ」。“いろいろ我慢して頑張っている”アメリーのためにも、自分も頑張らなくてはいけない。そんな思いがきっと相沢の胸の内にあるのだろう。一品一品に情熱を注ぐのと同じように、アメリーとの一瞬一瞬も精一杯父親らしくいようとする相沢は、どこか頼もしげな印象を感じさせるものだ。

 ただ、そんな風にして相沢が料理人としても、父親としても頑張り続けられるのは、ちゃんと周囲が彼の事情を分かってくれ、助けてくれる環境が備わっているからだ。相沢が「グランメゾン東京」で働くにあたり、倫子は「相沢さんとアメリーちゃんの大切な時間は私が守ります」と約束し、相沢の母・百江(木野花)もアメリーのお弁当作りなどで協力してくれると言ってくれた。だからこそ、相沢も自分の力を最大限発揮でき、職場の人々からの期待にも、そして娘のアメリーからの思いにも、しっかりと応えることができる。

 娘思いの父親としての“強さ”、人当たりの良さから、「グランメゾン東京」のメンバーも、視聴者も、思わず親しみを覚えるそのフランクな性格、そして食材の組み合わせについて聞けば、まさしく打てば響くように助言をくれる彼の持ち味は、きっと今後も存分に活かされていくことだろう。時に冷静に一歩下がって立つことで、チームの中でも絶妙なバランス感のある相沢の姿を今後も注視していきたい。

(文=國重駿平)

■放送情報
日曜劇場『グランメゾン東京』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54
出演:木村拓哉、鈴木京香、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、尾上菊之助、及川光博、 沢村一樹
脚本:黒岩勉
プロデュース:伊與田英徳、東仲恵吾
演出:塚原あゆ子ほか
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/grandmaisontokyo/

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