杉山すぴ豊が伝授する、東京コミコンの楽しみ方 スターとの距離の近さがオリジナリティーに
今年も東京コミコンが開催されます。2016年から数えて4回目、年々大きくなってきました。エンタメ系メディアでも大きくとりあげられるようになっています。一体どういうイベントなのか? すごく大雑把に言うと、昨今人気のアメコミ映画を軸としたお祭りであり、またハリウッドから来たスターたちと撮影会やサイン会を通じて日本のファンが会えるイベントなのです。
今年はクリス・ヘムズワース(ご存じマイティ・ソー)、ジュード・ロウ(ダンブルドア)、オーランド・ブルーム(『ロード・オブ・ザ・リング』のレゴラスにして『パイレーツ・オブ・カリビアン』のターナー)、マーク・ラファロ(ハルク)、ザッカリー・リーヴァイ(『シャザム!』)、ルパート・グリント(『ハリー・ポッター』のロン)、イアン・サマーホルダー(『ヴァンパイア・ダイアリーズ』のデイモン・サルバトーレ)が参加します! これだけのスターが一堂に会するイベントって国際映画祭よりもすごい! しかも(有料ですが)サイン会、撮影会に応じてくれるのです。
先にも述べたように、東京コミコンが誕生した背景には『アベンジャーズ』等のアメコミ・ヒーロー映画の人気が日本でも高まったという背景があります。つまりこうした映画が呼び水となり、アメコミ自体への興味も高まった。アメコミ・グッズも売れるようになった。そしてコスプレをして楽しむファンも増えてきた。つまりアメコミ文化というものが日本でも根付き始めました。一方、アメリカではもともとコミコンというイベントが盛んでした。コミコンはもともとアメコミ・ファンとアメコミ出版社、アメコミ・アーチストの交流イベントとしてスタートしました。
やがてアメコミとファン層が近いSFやホラー、ファンタジーというジャンルまでとりこむようになり、またこれらが映画、ドラマ、アニメ、ゲーム、グッズと幅広く展開されるようになるからこうした周辺ビジネスも巻き込み、いわゆるオタク・カルチャー全体の祭典へと進化したわけです。そして近年、アメコミ・ヒーロー物がハリウッド映画やドラマの核となってきたから、映画会社もここにスターを連れてきてファン向けのプレゼンテーションをするようになりました。
日本でアメコミの面白さに気づいたファンたちは、当然のことながらこのコミコンの存在にも気づきます。日本でもコミコンがあればいいのに……そうした声に応えるべく、東京コミコンが開催されたわけです。だから東京コミコンに集まるファンはアメコミ好きです。それはコスプレーヤーを観ればわかる。コミケとかは日本のアニメやゲームのキャラに扮する人が多いですが、ここではアイアンマン、スパイダーマン、バットマン、ジョーカー、スーパーマン、スター・ウォーズ、ハリー・ポッターと海外キャラに扮したコスプレーヤーばかり。アベンジャーズ、ジャスティス・リーグ、ジェダイの騎士、ホグワーツ魔法学校の生徒が会場内を席巻しています。また、東京コミコンの大きな特長はハリウッド・スターに直接会える機会が大きいということ。もちろん海外のコミコンにもハリウッド・スターは参加するのですが、これだけファンとの撮影会・サイン会に重きをおいているのは東京コミコン以外あまりありません(だから海外からわざわざ東京コミコンに参加する人もいます)。