磯村勇斗、成田凌、志尊淳、清原翔……朝ドラ出演を経て、引っ張りだこな俳優たち

 朝ドラをきっかけにブレイクする若手俳優たち。毎朝、視聴者の目に入ることで覚えられ、半年に渡って同じ役を演じることで、演技面でも鍛えられてきた。今回は、近年の朝ドラ出演後、演技の幅を広げ、引っ張りだこな俳優たちをピックアップしたい。(メイン写真:『まだ結婚できない男』(c)カンテレ)

“カメレオン俳優”として進化し続ける磯村勇斗

『時効警察はじめました』(c)テレビ朝日

 『ひよっこ』(NHK総合)で主人公・みね子(有村架純)と結婚することになる見習いコック・前田秀俊、通称「ヒデ」を演じていた磯村。みね子を優しく見守る先輩であり、みね子に恋をする奥手な青年は視聴者の心を掴み、ヒデの恋が実った際にはSNS上で歓喜の声が沸き起こったほどだ。

 磯村は、現在放送中の『時効警察はじめました』(テレビ朝日系)で総武署・鑑識課の若きエース・又来康知を演じている。鑑識課に勤める諸沢(光石研)とタッグを組み、穏やかな表情で鑑識結果を解説していく康知だが、母で時効管理課の又来(ふせえり)と衝突し、『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で磯村が演じた“相良猛”化していく姿が話題を呼んだ(第2話の脚本を担当したのは『今日から俺は!!』の脚本・演出を担当した福田雄一)。

 作品ごとにガラリと変わる磯村はまさに“カメレオン俳優”。『きのう何食べた?』(テレビ東京系)ではジルベールこと井上航を好演。無精髭にくたびれたTシャツという原作そのままの出で立ちもさることながら、わがままで自由奔放な航を嫌味なく演じ、原作ファンをも魅了していた。かと思えば、『TWO WEEKS』(カンテレ・フジテレビ系)では冷酷な暗殺者・灰谷を演じ、穏やかな笑顔を封印。敵か味方かもわからず、主人公を執拗に追い詰める姿にジルベールを演じていた面影は一切ない。

 磯村が出演している『時効警察はじめました』はメイン監督・脚本の三木聡をはじめ、さまざまな奇才クリエイターが脚本・演出を担当する。三木が描く笑いと、奇才クリエイターたちが描き出す作風に柔軟に溶け込む磯村。また、『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)の第6話への出演も先日発表された。今後の出演作も、ヒデともジルベールとも、灰谷とも又来とも違う、別人のような姿を見せてくれるのではないだろうか。 

朝ドラ出演後、映画方面で活躍を見せる成田凌

(c)2019 「カツベン!」製作委員会

 成田は『わろてんか』(NHK総合)でヒロイン・てん(葵わかな)の息子・隼也を演じていた。父・藤吉(松坂桃李)の死後、松坂とバトンタッチするかのように登場。成田の演技は藤吉の面影を感じさせ、自信たっぷりな隼也の姿が藤吉そっくりだと評判を呼んでいた。

 『わろてんか』以降、ドラマへの出演はなく、映画方面で活躍を見せていた成田。10代から30代の女性やカップルを中心に話題を集めた映画『愛がなんだ』では、ヒロインのテルコ(岸井ゆきの)が一途に思いを寄せる相手・マモルを演じた。テルコの想いには応えず、テルコを「都合のいい女」にしてしまう男を好演。だらしないが放っておけないと感じさせるリアルな演技はSNSなどで話題を呼んだ。12月には活動弁士を目指す若者を描く映画『カツベン!』で主役を務める成田。2020年には怪演を見せた話題作の続編『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』や『弥生、三月-君を愛した30年-』『糸』『窮鼠はチーズの夢を見る』などの出演作が公開予定だ。

 また、11月24日にはアニメ『サザエさん』のスペシャルドラマ企画『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』(フジテレビ系)に出演し成田は23歳になったタラオを演じる。長年人々に愛され続けてきた作品で、どのような演技を見せるのか期待が高まる。

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