『監察医 朝顔』家族の食事を通して向き合う“生きること” 上野樹里は悲劇にどう立ち向かう?

『朝顔』上野樹里は悲劇にどう立ち向かう?

 上野樹里が主演を務める月9ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)が、9月9日放送の第9話で最終章に入った。

 朝顔(上野樹里)で待ち受けていたのは、幼なじみでもある三郎(きづき)の妻、結衣(松長ゆり子)が遺体として運ばれてくるという、信じられない光景だった。朝顔は冷静を装うが、手が震え執刀できず、茶子(山口智子)からオペ室から出て行くように命令される。

 朝顔は遺体一人ひとりに対して「教えてください。お願いします」と大切に向き合い、遺体解剖を進めてきた。それは友達のように、家族のように。しかし、いざ友達を目の前にし、現実は遥か上をいっていることを朝顔は知ることになる。

 平(時任三郎)も容疑者である三郎が知り合いの家族という点から、捜査から外されることに。三郎に対して何もすることができない朝顔と平。そんな時に入ってくるのが、自暴自棄になった三郎が警察に出頭したという知らせだ。

 第1話目より『朝顔』では、家族の食事が印象的に描かれている。序盤の始まりは必ずと言っていいほど、朝顔と平の朝食のシーンから始まり、朝顔と桑原(風間俊介)、平とつぐみ(加藤柚凪)の思い出のかき氷、桑原のプロポーズにもあった縁側で食べるスイカなど、場面に合った食べ物が効果的に使用されている。

 第9話で、執刀ができなかった日に、朝顔はつぐみに夕飯をサボることを告げ、コロッケにした。それは夕飯を作る気力もないという弱音にも似たサイン。平もそのサインに気づき、事件のことを知らない桑原も徐々に空気を察していく。そして、三郎の出頭を聞き、朝顔は夕飯を自ら作ることを平に言い、カレーを作り始める。「2人の時は、3日間カレー食ってたよな」「4人になるとあっという間だね」という平と朝顔の会話から、食卓にカレーが出るのは久しぶりなのだろう。

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