上野樹里と時任三郎、互いを思い見せなかった涙 『監察医 朝顔』が描く震災後を生きるということ

上野樹里と時任三郎、互いを思い見せなかった涙 『監察医 朝顔』が描く震災後を生きるということ

 上野樹里が主演を務める月9ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)が、8月26日の放送で第7話を迎えた。

 第7話を観終えて感じたのは、2つの物語が対極に描かれていること。ひとつは、朝顔(上野樹里)が鑑定証人として出廷する、ある事件の控訴審。そしてもうひとつは東北で被災した妻・里子(石田ひかり)かもしれない一筋の手がかりを元に、生きた証を探し続ける平(時任三郎)の姿だ。

 法医ドラマにおける出廷シーンは“法医ドラマあるある”ではあるが、『朝顔』では今回が初。裁判の被告人・白川亜里沙(有森也実)は、マスコミが注目する「10億の美魔女」と呼ばれる人物だ。これは“弁護士ドラマあるある”になるが、裁判シーンでは難解な言葉が多くなり、話の流れも一気に早くなる。相手弁護士からの圧力、白川の仮病による悪あがきも加わり、朝顔はマスコミからの餌食に。それでも、朝顔は冷静に、いつもと変わらぬペースで淡々と証言をしていく。

 裁判の決め手となったのは、丸屋(杉本哲太)がドタンバのタイミングで法廷に持ってきた薬物検査の証拠。事前に丸屋は朝顔に「今回の裁判は警察の威信がかかっているから必ず有罪にしてほしい」「石田検事(山本未來)の顔に泥を塗るようなことだけはするな」と懇願していたのだ。丸屋の行動が判決の大きな決め手となったのは、確かではあるが、裁判終了後の丸屋の態度を見ていると、石田検事に気があるのは明らか。第6話にて初登場した頑固な丸屋の、意外なキャラが露呈し始めている。

 裁判と並行して描かれていくのが、一路東北へと向かった平の動向。長台詞の連続となる法廷シーンに対して、東北でのシーンは言葉の数が極めて少ない。「2年B組万木朝顔」と書かれた手袋とその中に入っていた白い骨。県警からの鑑定結果を待つ間、平は手袋が見つかった場所「内川橋」に向かい、生きた証を探し始める。そこにやって来るのが、里子の父・浩之(柄本明)。なにも言わず、草刈機のエンジンをかけ、彼もまた娘の生きた証を探し始めるのだ。

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