『ミッション:インポッシブル』のパロディ満載 『ルパンの娘』に仕組まれた細かい遊び心

『ルパンの娘』に仕組まれた細かい遊び心

 さらに、その独特な小道具やサブキャラクターにも注目したい。尊が繰り出すテントウムシ3号や、華の母・悦子(小沢真珠)が使っていた催涙スプレー、兄の渉(栗原類)の考案したステルス迷彩を用いた幕など、どれも観ていてワクワクするようなアイテムばかりだ。Lの一族はこの道具を用いて、ターゲットのアジトに侵入する。そして我々は華の言うように「どこかの映画で観た」ワクワクをまた思い出すのだ。

 本作がパロディとしているのは『ミッション:インポッシブル』シリーズである。さらにパロディされているのは映画だけではない。華の友人である円城寺(大貫勇輔)がミュージカル調に歌う場面ではカラオケの画面のように歌詞がテロップとして表示される。こうした細かい遊び心も本作に夢中にさせるポイントだろう。

 また、第2話では華の祖母であるマツ(どんぐり)も活躍を見せた。どんぐりは映画『カメラを止めるな!』で強烈な存在感を発揮した女優だ。芸能界デビューしたのが50代からでありながら、映画、ドラマ、CMなど活躍の幅を広げている。その特徴的な声や関西弁、明るい雰囲気が三雲家を盛り上げ、本作にとって良いスパイスとなっている。ふざけてばかりの明るい祖母かと思いきや、第2話では和馬の警察バッジをこっそり隠し華の家族に職業がバレないようにするなど気の利いた一面も見せる。こうした思わずクスッときてしまうサブキャラクターの活躍も、本作を観て笑顔になれる要因だろう。

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■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
木曜劇場 『ルパンの娘』
フジテレビ系にて、7月11日(木)スタート 毎週木曜22:00~22:54放送
※初回は22:00~23:09(15分拡大)
出演:深田恭子、瀬戸康史、小沢真珠、栗原類、どんぐり、藤岡弘、(特別出演)、
加藤諒、大貫勇輔、信太昌之、マルシア、麿赤兒、渡部篤郎
原作:『ルパンの娘』 横関大(講談社文庫刊)
脚本:徳永友一
プロデュース:稲葉直人
監督:武内英樹
制作・著作:フジテレビ 第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/Lupin-no-musume/

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