『トレース~科捜研の男~』錦戸亮の哀しみの涙 事件の鍵を握るのは千原ジュニア&萩原聖人?

『トレース』錦戸亮が流した哀しみの涙

 『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)が、3月18日の放送で最終回を迎える。

 第10話では、真野礼二(錦戸亮)の家族が殺された「武蔵野一家殺人事件」について“個人的に”真相を突き止めたいという虎丸良平(船越英一郎)と、真野に好意を寄せ“信じてくれる人間”として虎丸が彼のそばに近づけた沢口ノンナ(新木優子)が、事件を究明していく。

 今回のストーリーで印象深いのは、真野の一つひとつの表情だ。虎丸から武蔵野一家殺人事件の話題が出ると真野の表情は一気に険しくなる。それはそばに沢口がいたからでもあり、巨大な何者かの圧力により捜査が打ち切りになっている危険な事件に沢口を巻き込みたくないという思いからの表情でもある。後に、沢口の必死な思いと虎丸の後押しもあり、沢口は事件の捜査に協力することになるが、彼女の不意に溢れる嬉しそうな笑みと、安堵する虎丸の微笑みもドラマを彩るワンポイントだ。

 第10話で描かれるテニスプレーヤーの事件は、隠蔽工作を引き金に起こった殺人。これまで扱われてきた事件は、真野の過去の事件と繋がる部分が必ずあった。今回は「隠蔽」。テニスプレーヤーから真相を隠蔽されると焦った虎丸に、「大丈夫です。隠蔽なんて絶対に許しませんよ」とつぶやく真野の顔は俯き虚ろな表情を浮かべている。ここで思い出されるのが第6話で、海塚律子(小雪)から真野に武蔵野一家殺人事件の真相が話された場面。科捜研は出どころの分からない場所から鑑定書の控えやメモ、事件に関する全ての資料を提出する命令が下されていた。そこで、海塚は科捜研の前科長・藤田が捜査資料を記していたノートを真野に差し出す。その時見せた怒りにも似た危うい表情は、第10話に繋がる片鱗でもあったように思える。真野の心の奥底に眠る「復讐心」と言ってもいい。

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