恋する純情男子“昂サマ”(宮沢氷魚)の優しさ 『僕キミ』王子が内に秘めた悲しみとは?

『僕キミ』恋する純情男子・宮沢氷魚の魅力

 昴を演じる宮沢はそんな昴の揺れ動く気持ちを情熱的に演じる。完璧な王子様の昴と、繭を思って人を傷つけてしまうような少し配慮に欠ける昴のどちらの面をも魅力的に表現している。繭に対しては情熱的なのに、どこか厭世家的な要素を感じさせる「死」への向き合い方。弟の律(佐藤寛太)とは対照的に描かれている様子が、キャラクターのバリエーションとして活きていると感じる。宮沢の演じる昴はただの明るい王子様ではなく、そんな内に秘めた悲しみを噛み殺して、繭を愛する様子が非常に繊細に伝わってくるのだ。

 第3話のラストでは、逞はやっと繭への気持ちに素直になる。また、繭の方も逞に気持ちを伝えようと決心するのであった。そんな中、照の身に悲劇が起こることが逞のセリフで伝えられる。死を目の当たりにすることで新たな価値観を見つけるのか。そして自身が死と向き合う恐怖に打ち勝てるのか。繭との恋愛だけではなく、さらに深い部分でのメッセージ性を感じさせる展開が予想された。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
『僕の初恋をキミに捧ぐ』
テレビ朝日系にて毎週(土)23時15分~0時5分放送
出演:野村周平、桜井日奈子、宮沢氷魚、佐藤寛太、馬場ふみか、松井愛莉、矢作穂香、岐洲匠、富田健太郎、福本莉子、是永瞳、真飛聖、児嶋一哉、石田ひかり、生瀬勝久ほか
原作:青木琴美『僕の初恋をキミに捧ぐ』(小学館刊)
脚本:尾崎将也
演出:宝来忠昭、藤原知之
音楽:富貴晴美
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、山本喜彦(MMJ)、森一季(MMJ)
制作:テレビ朝日/MMJ
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/bokukimi/
公式Twitter:@bokukimi2019

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる