『3年A組』上白石萌歌演じる景山澪奈とは何者か? 放送重ねるごとに深まる謎を探る
菅田将暉主演ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)が毎週日曜夜22時半より放送中だ。本作は、卒業式の一週間前に、3年A組担任の柊一颯(菅田将暉)が、クラスの生徒全員を人質にとって教室に立て籠る学園ミステリー。主演の菅田が、生徒を人質にとる謎だらけの美術教師役を演じ、数カ月前に突然この世を去ったかつての学園のスター「景山澪奈」(上白石萌歌)の“死の真相”について、1人の教師が29人の生徒を人質にとり、最後の授業を行う。
回を重ねるごとに、景山澪奈とはいったいどんな人物だったのか、そしてクラスの生徒との関係性が浮き彫りになっていく。1話毎に各クラスメートから見える「景山澪奈」像はそれぞれ異なることが分かってくるのがこのドラマの楽しみの一つ。そこで今回は、現在3話まで放送されている中で、各回の中心生徒であった永野芽郁、川栄李奈、鈴木仁らが演じるクラスメートから見える景山澪奈という人物をまとめてみたいと思う。
このドラマの最初の鍵となるのが、永野芽郁演じる茅野さくらと、川栄李奈演じる宇佐美香帆との複雑な三角関係。当初、茅野は、水泳部のスターである景山の熱狂的なファンだった。盗撮とも言える、大量の景山の写真を持っているところを本人に見つかってしまうも、景山の素晴らしい“エロさ”を必死に伝え、「面白いね、友達にならない?」と言われて以来、2人で買い物に行ったり、腕を組んで下校をしたりする親友となる。
ある時「私のことどう思う? 私はさくらに似ていると思う」と言う景山に対し、茅野は「澪奈は、天上天下唯我独尊。『私は私。文句ある?』タフネスの代名詞じゃん。方やいつもビクビクしながら周りの顔色を伺う(私は)風見鶏、まさに月とスッポン。澪奈は最強」と答える。すると景山は「良かった、私は強くありたいと思ってたから。そう見えてたならいいんだ」とどこか寂しそうに笑いながら答え、景山が本当の自分を偽っているかのようにとれるシーンがある。景山は周囲からのイメージと実際の自分とのギャップに苦しんでいたのかもしれない。
景山のドーピング疑惑の報道から、クラスでは景山に対するイジメが始まる中、茅野は景山から「私とさくらは違う。だからもう二度と話しかけないで。さくらとは友だちになれない。」という手紙をもらう。涙が滲んでいたその手紙はSOSであったにも関わらず、それ以来景山を避けるようになった茅野は「澪奈が自殺したのは私のせい」という結論に達するも、自殺の理由を景山から直接聞いたと言う柊は不正解を言いわたす。おそらく手紙に関しては、別の理由の危険があったのか、もしくは茅野がいじめの巻き添えになることを遠ざけるためだと推測される。景山は、友達を思いやりながらも自身の辛さ・孤独を打ち明けられずにいたのだ。