『エンドゲーム』のヒントも? 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』予告編を徹底考察

今回のヴィランはエレメンタルズ! ミステリオは果たして……

 今回のヴィランも予告編にその姿を現した。結論からいうと、先述のハイドロマンを含めた4人のヴィランはエレメンタルズといい、マーベルコミックでは『Supernatural Thrillers #8』から登場している。エレメンタルということで、彼らはそれぞれ自然にまつわる一つの要素を操る。炎を操るヘルファイア、水を操るハイドロン、地球(地面)を操るマグナムに、風を操るゼファー。予告編でニック・フューリーとマリア・ヒルが発砲している相手は、一瞬『スパイダーマン2』に登場したサンドマンのように見えるが、マグナムだと考えられる。

 そして、攻撃を受けて圧倒されたピーターを助けるように、ハイドロンと交戦していたのがジェイク・ギレンホール演じるミステリオだ。当初彼が本作に登場すると報道があった際、ヴィランとしてではないかと考えられていた。しかし、2018年ブラジル開催の『Comic Con Experience』というイベントで、ミステリオは「スパイダーマンの仲間」であり「ニック・フューリーが助けを求める相手」であることがジェイク・ギレンホール本人から明かされている。

 だとすると、ミステリオはヴィランじゃないのかもしれない。しかし、このキャラクターは本来油断も隙もないやつだ。なぜなら、コミック『Amazing Spider-Man #13』で登場した彼はもともとハリウッドで特殊効果デザイナーとして働いていた男であり、“スーパーヒーローになるため”にそれを利用していたのだから。彼は、自分がヒーローになるためのイルージョンを見せ、スパイダーマンを陥れようとしたのだ。

 彼が「危ないから離れて!」と予告編でピーターに言ったのが、彼を守るためではなく、スパイダーマンが触れるとまずい“幻想”を守るためだったとしたら? そして、スパイダーマンが乗り越えなければいけない“危機”がミステリオだとしたら? そんなツイストが用意されていたら、ますます面白い。

 他にも、ネッドがいつの間にか彼女(ベティ・ブラントと噂されている)を作っていたり、『スパイダーマン:ホームカミング』でピーターが壊してしまったデルマーさんのお店が建て直されていたり(ちゃっかりスパイダーマンとのツーショットを店に飾っている)、見どころが満載な予告編だった。しかし、何よりアツいのがBGMで流れる「スパイダーマンのテーマ」だ。これまで、MCUのスパイダーマンは元来のスパイダーマン作品との関連性が低く、“新しさ”を押し出していた。本作はそれが一層強く感じられるのだ。

 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公開は2019年夏予定。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードハーフ。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆。
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■公開情報
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
今夏、全国ロードショー
出演:トム・ホランド、ゼンデイヤ、サミュエル・L・ジャクソン、ジェイク・ギレンホール
監督:ジョン・ワッツ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:Spiderman-Movie.jp
公式Twitter:https://twitter.com/spidermanfilmjp
公式Facebook:https://www.facebook.com/SpiderManJapan/ 

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