男の子のプリキュア誕生はなぜ大ニュースなのか シリーズ15年かけて伝えるメッセージを紐解く
初の男の子プリキュア誕生
プリキュア15年の歴史において、ついに初の「男の子のプリキュア」が誕生しました(実は、「初の」男の子プリキュアかどうかは、ファンの間では見解が分かれる所なのですが、それはちょっと置いておきましょう)。
2018年12月2日放送『HUGっと!プリキュア』(朝日放送テレビ)第42話「エールの交換!これが私の応援だ!!」において、ジェンダーレス男子のスケート選手、若宮アンリ君が「キュアアンフィニ」へと変身しました。初の男の子プリキュアの誕生です。
これにはSNSを始めとしたネット界隈も騒然とし、放送直後はツイッタートレンドを独占、ハフポスト、朝日新聞デジタル等の各WEBメディアでも取り上げられるなど、大きな話題となりました(翌日一部の新聞にも載っていました)。
「社会の多様性を認めるきっかけとなった」
「男の子もプリキュアになって良い、と表現したのは凄いこと」
「ポリティカル・コレクトネスに配慮した素晴らしい決断」
そんな声が多数聞かれました。
これはプリキュア史を揺るがす大ニュースです。もの凄いことなのです。
ただね。15年間ずっとプリキュアを見続けてきた僕は思うのです。
「男の子のプリキュア誕生」というセンセーショナルな話題のみが独り歩きしすぎて、その「経緯」や「込められた想い」までは、このニュースを聞いた人に上手く消化されていないのではないのかと。
そこで「ずっとプリキュアを追ってきた、いちプリキュアファン」の視点から、今までのプリキュアのジェンダー観をおさらいしつつ、あの日何が起きていたのか、そして「初の男の子プリキュア、キュアアンフィニ」とは何なのか、をちょっと見ていきたいと思います。