『ここさけ』コンビ復活も 『ドロ刑』最大のキーは中島健人と遠藤憲一の対比にあり?
いざ金庫破りを行うシーンで、“神北勉”の存在を疑う犯罪グループのメンバーからのカマかけに見事に引っかかってしまった斑目は、順平とともに金庫の中に閉じ込められてしまう。これよりも前に、バーのシーンで皇子山(中村倫也)と煙鴉が対峙した際、煙鴉の(おそらく偽の)プロフィールを調べ上げた皇子山からの鋭い追及を見事にかわしていくというやりとりがあった。
これもまた、このドラマの最大のキーである斑目と煙鴉の対比ということだろう。至極単純なカマにまんまと引っかかって適当なことを答えてしまう斑目に対し、煙鴉には言葉巧みに身ぐるみを剥がそうとするプロ技のカマかけさえも通用しない。ここまで2人の性質が対比的に描かれるあたり、飲み友達以上の繋がりがあっても不思議ではないし、第1話の段階から明示されていない煙鴉が斑目に協力する理由を深く考えずにはいられなくなる。
ところで、今回のエピソードで順平を演じた寛一郎といえば、佐藤浩市の息子で三國連太郎の孫にあたるという俳優一家の血筋の持ち主。昨年夏に公開された『心が叫びたがってるんだ。』で中島とがっつり共演をしている。同作では、控えめな中島のキャラクターと夢を断たれて周りに当たり散らす貫一郎のキャラクターは衝突しあっていたが、本作では共通の趣味について笑顔で語らいながら、時折互いに寂しい視線を向け合う間柄に。今エピソードのラストで順平は軽微な罪で保釈されたと明かされるだけに、彼が再登場を果たしてくれることにもちょっぴり期待したいところだ。
■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter
■放送情報
『ドロ刑 -警視庁捜査三課‐』
日本テレビ系にて毎週土曜22:00~22:54放送
出演:中島健人(Sexy Zone)、遠藤憲一、石橋杏奈、中村倫也、江口のりこ、野間口徹、田中道子、生島翔、丸山智己、板尾創路、稲森いずみ
原作:『ドロ刑』福田秀(集英社「週刊ヤングジャンプ」 連載)
脚本:林宏司
音楽:木村秀彬
主題歌:Sexy Zone 「カラクリだらけのテンダネス」(ポニーキャニオン)
演出:大谷太郎、中島悟(AXON)、高橋朋広
制作協力:The icon
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/dorokei/
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