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相葉雅紀の“優しさ”が物語の魅力に 『僕とシッポと神楽坂』は1週間の疲れを癒やしてくれる

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 東京・神楽坂を舞台に、若き獣医師・高円寺達也(相葉雅紀)と動物やその飼い主たちとの心温まる交流を描くドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)。たらさわみちの人気漫画を原作とし、映画『神様のカルテ』などを手がけた深川栄洋が監督を務める今作は、第1話から温かな雰囲気に包まれていた。今作は、公式のドラマ概要で書かれていたように“忙しい一週間で疲れた心と体を癒す、動物だらけの1時間”である。金曜日の夜に、ほっと一息つくことができる王道のヒューマンドラマと言えよう。

 相葉の自然体な演技に心惹かれる。相葉が演じる達也は、獣医師としての腕は確かだが、彼自身はいたって普通の青年だ。気弱そうな雰囲気を醸し出しつつ、いざという時は頼りになる実直な獣医師であり、動物とその飼い主たちに向き合うときの見せる優しい表情が印象的だ。そんな達也のキャラクターは、相葉にとって等身大で演じることができる人物なのではないだろうか。背伸びをして演技するのではなく、“高円寺達也”を自身に溶け込ませるような演技を見せる相葉。あたたかな光が印象的な演出とあいまって、今作の穏やかな雰囲気にマッチした演技と言える。

 相葉の自然体な演技はドラマ冒頭から魅力的だった。母親である貴子(かとうかず子)と三味線の稽古のため高円寺家を出入りしている芸妓のすず芽(趣里)、まめ福(渚/尼神インター)が、達也と食卓を囲むシーンがある。神楽坂に戻り獣医師の仕事をするという達也を心配し、小言を言う母親と、朝からきつめの冗談を言う芸妓2人に達也はたじろぐ。彼女たちに対して「ほっといてよ」という空気を漂わす達也の姿には、女家族に囲まれて育った弟のような距離感が感じられる。

 また自身に動物病院を託し、姿を消した獣医師・徳丸善次郎(イッセー尾形)に対する言動からも自然体な魅力が感じられる。徳丸の下で働くつもりで神楽坂に帰ってきた達也を待っていたのは、一通の置き手紙と預かり犬のダイキチだけだった。達也は度々徳丸に電話をかけるが、徳丸が病院に帰ってくる気配はない。しかし受話器越しで聞こえる達也の声は、呆れかえってはいるもののどこか穏やかで、達也の“お人好し”な雰囲気を視聴者に伝えるのに役立っている。

 普通の青年である達也は度々愚痴をこぼす。しかし、その感情に「怒り」は感じない。そもそも相葉の出演作を振り返ってみても、彼の演技に「怒り」を感じることは少ない。人によっては、「演技で怒れないだけだ」と捉えるかもしれないが、今作ではそんな相葉の「怒れない」演技が活かされているように思う。動物の命や健康を最優先で考えている達也にとって、動物を怯えさせるような「怒り」の感情は必要ないのかもしれない。

      

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