岡田将生、自身の落語シーンに「こっぱずかしい」 『昭和元禄落語心中』で落語にどハマり
寄席のシーンについて岡田は「緊張すると思ったけれど、稽古をしてきたので自信があったのか、意外に淡々とやらせてもらった」といい、「感情的になっちゃいけないと言われていたけど、自分の中で波を打つものを感じて、これがお客さまが入った感覚なんだと実感しました」と初高座を振り返る。続いて竜星が「浅草演芸ホールでやらせてもらったときは、すごく緊張して……」と話すと、すかさず「してましたね~」と岡田、山崎がニヤリ。竜星は恐縮しつつ、役である与太郎と自身の“必死さ”が重なったと明かしていた。
また山崎は「自分としては初高座だけど、演じるのは天才落語家なので笑いをとらないといけないのに、リハーサルで(落としどころである)『一円おくれ』と言ったら“シーン……”って(笑)。その後、助監督が『山崎さんが「一円おくれ」って言った後は、ドカンと笑いをください』とエキストラの人に言っているのを見て、自分の演目で笑わせたいというスイッチが一気に入った」と笑顔で回顧した。
今作は、落語監修を柳家喬太郎が担当。岡田は「『死神』を最初に習ったのですが、喬太郎さんの目が厳しくなることにビビってしまって……。自分ではここがダメだと思っても、最終的に喬太郎さんからは違うところがダメと言われたり。でも、自分が楽しくやらないと、お客さまには伝わらないというのは最初に言われて響いたこと。落語を好きになるというところから、喬太郎さんには教えていただきました」としみじみ。
竜星は「笑える話や艶っぽい話、泣ける話、全部おもしろい。どんどん自分の中で(落語)の敷居が低くなっていって、単純に喬太郎師匠のファンというところから入っていった」と師匠への憧れを語り、山崎は「自分が楽しんで、自分の言葉でしゃべっていくというのがテーマ。自由だからこそ、その人のすべてがそこに出てくる」と落語の魅力を明かした。
最後に、お気に入りの演目について聞かれた岡田が考え込む素振りを見せると、「『死神』かな」と竜星。岡田は「なんで俺が言う前に言うの!? 溜めてんだからさ……」とご立腹。ところが「時間ないから」と竜星に制されると「そうだね、『死神』です、『死神』です」と笑顔を見せ、「(八雲が)年を取ってからの『死神』と、若いときの『死神』が全然違うので、ひとつの楽しみになるのでは」と自信たっぷり。竜星は最初に覚えた『出来心』を挙げつつ、「『芝浜』は3人ともやるので、僕らしい『芝浜』を見てほしい」と熱を込める。また山崎は『野ざらし』を挙げ、噺に登場する歌について「喬太郎師匠から『うまく歌うな』と言われたが、下手に歌うのが難しくて……」と、ミュージカルスターならではの本音を暴露。「なんか、自分がうまいみたいになっちゃってすみません」と慌ててフォローし、笑いを誘った。
この日は、制作統括の出水有三氏と藤尾隆氏も出席。出水氏は「魅力がたくさん詰まっているが、何より思い、芸、そして命を続いていくドラマ」。藤尾氏は「落語ということで初めは楽しいものだと思っていたが、奥が深くて、底なし沼に入っていくような、怖さも兼ね備えていることを実感した。その世界観が反映されているのでは」とアピールした。
(取材・文・写真=nakamura omame)
■放送情報
ドラマ10『昭和元禄落語心中』
NHK総合にて、10月12日(金)より毎週金曜22:00~放送
出演:岡田将生、竜星涼、成海璃子、大政絢、山崎育三郎
脚本:羽原大介
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/drama10/rakugo/index.html