『ホリデイラブ』の松本まりか降臨! 『健康で文化的な最低限度の生活』井浦新の過去も明らかに

『ケンカツ』松本まりかの好演と井浦新の過去

 その梓を演じるのは松本まりか。大きな話題を呼んだドラマ『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)で彼女の存在を認知したという方も多いのではないだろうか。実際、彼女は本作にて、夜中の時間帯の放送でありながら爆発的に知名度を上げた。松本のことを端的に述べるのならば、やはり、“ヒステリーな性格というものが今もっとも似合う女優”ということである。この第9話の終盤でも、彼女が覚醒状態(梓のヒステリー状態=松本の演技のスイッチON)となってからは、テレビの前の誰もが思わず圧倒されたのではないだろうか。耳に残る特徴的な高音ボイスと、細かく震える声、そして鬼気迫る表情とで私たちを慄かせるのだ。

 そんな今回のもう一つの見どころは、いつもえみるを的確な助言で支えてくれる半田の新人時代の過去だ。

 時同じくして、えみるが以前担当し、現在は見事に社会復帰を果たした阿久沢(遠藤憲一)が、娘・麻里(阿部純子)が倒れたとの知らせを受ける。どうやら彼女は妊娠していたようなのだ。「産むかどうかわからない」と口にする娘と、「産むべき」だと主張する父は衝突。そんな阿久沢に、半田は「産まないという選択肢もある」と、いつになくシリアスに語気を強めて言い放つ。

 半田は新人時代、担当していた家庭の20歳の娘が妊娠し、産むように説得したことがあったのだ。しかし無事出産後、一時は幸せなときが流れたが、しばらくして彼女は幼児虐待で逮捕されたとのことである。今回えみるが直面した二つの問題は、彼女だけでなく、立ち会う半田にとっても大きなハードルとなりそうだ。

 一生懸命“寄り添う”ことでも解決の糸口を見出すことが難しそうな問題に、えみるはどう立ち向かうのか。そして半田は過去の経験から、えみるをどのようにサポートするのだろうか。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■放送情報
『健康で文化的な最低限度の生活』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:吉岡里帆、井浦新、川栄李奈、山田裕貴、小園凌央、水上京香、安座間美優、谷まりあ、鈴木アメリ、内場勝則、徳永えり、田中圭、遠藤憲一ほか
原作:柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
脚本:矢島弘一、岸本鮎佳
監督:本橋圭太、小野浩司
プロデュース:米田孝(カンテレ)、遠田孝一(MMJ)、木曽貴美子(MMJ)、本郷達也(MMJ)
制作協力:メディアミックス・ジャパン
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/kbss/index.html

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